シューズの新常識 “低ドロップ設計” について 【第4章:トレランシューズの選び方<実践編②>】

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こんにちは。

はしりびとです。

今回のテーマは、

販売のプロによる【安全に楽しむ為のトレランのはじめ方】

です!

その中から、

第4章:『トレランシューズの選び方<実践編>

PART1:トレランシューズの種類を知ろう:<補足>低ドロップ設計

を語らせていただきます!

このテーマは、全6章で語らせていただきます!

概要は↓の記事を読んでみてください。

こんにちは。 はしりびとです。 今回のテーマは、 販売のプロによる【安全に楽しむ為のトレランのはじめ方】 に...

1.前回のおさらい

前回は、トレランシューズの種類(カテゴリー)を知るについて語らせていただきました。

トレランシューズの種類は、大きく分けて4種類(カテゴリー)に分けられるとお伝えしました。

1種類目の『ベアフット系』トレランシューズは、『素足感覚』と『低ドロップ』が特徴で、あまり『サポート』はないこと。

2種類目の『ハイブリッド系』トレランシューズは、『走りやすい走行性』、『低ドロップ』が特徴で、『適度なサポート』が備わっていること。

3種類目の『プロテクト系』トレランシューズは、『脚をとにかく守る強力サポート』、『高ドロップ』が備わっていること。

4種類目の『オフロード系』トレランシューズは、『とにかく刺さるグリップ力』、『水を通しにくいアッパー(甲の部分)素材 』が備わっていること。

この4種類の特徴をそれぞれお伝えさせていただきました。

今すぐは必要ありませんが、トレランシューズ単品の違いを知る上で重要な知識なので覚えておいてください!

↓前回の記事はコチラ

こんにちは。 はしりびとです。 今回のテーマは、 販売のプロによる【安全に楽しむ為のトレランのはじめ方】 で...

少し難しいとこもあったけど、けっこうシンプルだったからなんとなくわかったよ!

今回は前回の『トレランシューズの種類(カテゴリー)を知る』の中で出てきた、【ドロップ設計】について、ご説明させていただきます!

トレイルはもちろん、ロードランニングでも注目されているワードですので覚えておきましょう!!

2.トレランで理想的な走り方とは?

まず、ドロップを理解する前に、【トレランにおける理想的な走り方】を理解しておく必要があります。

※ロードでも基本同じなので覚えておいてください!

トレランで理想的な走り方
①ミッドフット、または、フォアフットで着地をする

⇒ミッドフット着地とは、『足裏全体で着地をすること』を言います。

⇒フォアフット着地とは、『爪先部から着地をすること』を言います。

トレランでは、足裏全体か前足部で着地をしましょう!!

②身体の真下で着地をする

⇒着地をした瞬間の位置が、『身体の真下』か『それに近い位置』であることを言います。

トレランでは、なるべく身体の近くに脚を置くようにしましょう!!

身体の真下で着地が出来ると、自然とミッドフット地かフォアフット着地になります。

細かく言えばたくさんありますが、最も重要なことはこの2つです!

【ミッドフット・フォアフット着地】

【身体の真下で着地】

何度も書いていますが、必ずこれは覚えておいてください!

「ミッドフット着地 or フォアフット着地」・「身体の真下で着地」だね!しっかり覚えておくよ!

この2つを実践することが、【ケガをしにくい走り】、【無駄なエネルギーを使用しない走り(効率的な走り)】であり、トレランにおける一番いい走りと言えるでしょう!

3.トレランで危険な走り方とは

では、反対にトレランにおいて、やらないほうがいい走り(やってはいけない走り)とは何でしょうか?

トレランでやってはいけない走り方
①踵で着地をする

⇒その名の通り、『踵から着地をすること』です。

トレランでは、踵着地は最も多い怪我である『捻挫』を誘発します。

また、踵の骨は非常に不安定な骨なので、不安定なトレイルで踵から着地すると『捻挫』だけでなく、『身体全体の関節がブレる』ことにもなります。(全身の関節に負担がかかる)

②身体のかなり前で着地をする

⇒身体よりもはるか前方で足が着地し、『上半身が仰け反るような着地』のことです。

トレランでは、足だけが前で着地をすると『スリップ(滑る)』を誘発します

また、スピードによる恐怖を感じやすい【下り区間】でこの走り方になることが多いです。スリップを免れたとしても、下り終えたころには、『太腿を始めとした全身の筋肉が大疲労』していることが多いです。(全身の筋肉に負担がかかる)

身体の前で着地をした場合、自然と踵着地になってしまう傾向がある。

トレランで、『踵着地』と『身体の前での着地』は回避したほうがいいです!!

理想的な走り方の真反対の走りってことだね!意識はできても、実践はなかなか難しそうだなぁ。

そうですね。。

意識していても、『恐怖』により上記の【危険な走り方】をしてしまうことはあります。これは経験が必要なことでもあるので、意識し続けるしかありません。

ただ、実はある特徴をもったシューズを選ぶことによって、この危険な走り方を回避しやすくできるのです!

そのシューズこそが【低ドロップ設計のシューズ】です!

<補足>トレラン実走塾スタート予定
近々、トレランの走り方に特化させた”セミパーソナル型”の『はしりびとトレラン実走塾』も開催予定!距離は走らず、とにかく安全で怪我をしない効率的な走り方のレクチャーに特化しています。近日公開予定なのでお楽しみに!!(2020年10月中旬掲載)

4.低ドロップ設計のシューズ

ドロップとは何かというと、『シューズ踵部の一番厚みのある所と、シューズ前足部の一番薄くなっている所の高さの差』です。文章にするとややこしいので、下記図をご覧下さい。

↓ドロップとは・・・

そして、下記を覚えておいてください!

低ドロップシューズは、ドロップ差が8mm以下

高ドロップシューズは、ドロップ差が10mm以上

※正確な定義はなく、実際走って感じた”はしりびと式”ドロップ定義です

なるほど!これをドロップと言うんだね!でも、これがトレランでの理想的な走り方とどう関わるの??

まず、一般的なランニングシューズ・従来のトレランシューズそのものの特徴をお伝えします。

従来のトレランシューズ(一般的なランニングシューズ)
従来のトレランシューズは、一般的なランニングシューズにおける考え方と同じで、履いている人の負担を少しでも軽減し、楽に走れるようにしてくる靴です。クッショニングシューズを例に考えてみましょう。

クッショニングの最大の特徴は、分厚いクッションが衝撃から身体を守ってくれることでしょう。そして、もう1つの特徴は、勝手に身体が前に進むように、踵が厚く前足部(爪先側)が少し薄い『下り坂設計』になっていることです。つまり、『高ドロップ』設計です。

高ドロップのメリットは、上記の通り、靴の中で下り坂道を作ってあげることで、力を加えなくても坂道を転がるように勝手に進めるという点です。

これは、ロード用シューズと同様に、従来のトレランシューズの多くに採用され、”一般的”とされていました。

とても良い機能に聞こえるけど、そうではないの?

決して悪い機能ではありません。良い面も多くあります。

ただし、最近になり、高ドロップ設計は下記2つのデメリットがあると指摘されるようになっており、更に、そのデメリットがトレランにおいて致命的な欠点になると言われています。

そのデメリットは、

トレランにおける高ドロップのデメリット

1.踵が高すぎて、足が着地する際に踵が先に地面に触れてしまう

『踵着地になりやすい』

2.下り坂設計の傾斜が強すぎて、トレイルでの下り時にスピードが出すぎてしまう。足場の怖さもあり出過ぎるスピードを抑えるために、ブレーキをかけようと身体を後傾させてしまう

『身体の真下で着地できなくなる』

↓高ドロップを履くと、踵着地になりやすく後傾しやすい

高ドロップシューズは、平地や上りではメリットはありますが、下りにおいてはその下りの傾斜を更に激しくしてしまうので、デメリットが大きく出てきます。

更に足場の不安定なトレイルになるとその恐怖は倍増するのです。

なるほどね!足場が悪い中でスピードを出すなんて、怖くて絶対できないよね。しかもトレイルだと考えるだけで怖いよ。

なんとなく答えが見えてきたと思います!

低ドロップ設計シューズは、シューズ内に”下り傾斜”を作っていないので、理想的な走り方(ミッドフット着地・フォアフット着地・身体の真下での着地)を意識しやすく、取り組みやすくしてくれるのです!!

初心者はもちろん上級者も、基本的には『低ドロップシューズ(ベアフット系・ハイブリッド系)』から選ばれることを推奨します!!

↓低ドロップを履くと、理想的なフォームを意識しやすい

<補足>

最近のトレランシューズのほとんどは、『低ドロップ設計』になっているのであまり失敗することはありませんが、一度ドロップ数を調べてから試すほうがいいでしょう!!

また、以降の記事にて、【代表ブランドの単品説明】も行いますので、そこでも説明させていただきます!

5.まとめ

以上で、

第4章:『トレランシューズの選び方<実践編>

PART1:トレランシューズの種類を知ろう:<補足>低ドロップ設計

は終了となります。

まとめると、

・トレランにおける理想的な走り方は、『ミッドフット・フォアフット着地をする』、『身体の真下で着地をする』である(怪我防止・効率的な走りをしやすい)

・やってはいけない着地は、『踵着地』、『身体の前での着地』である(捻挫をしやすい、筋肉疲労も大きい)

・理想的な着地をするには、【高ドロップシューズ】ではなく、【低ドロップシューズ】である。

・基本的には、【低ドロップシューズ(ベアフット系かハイブリッド系)】を履くことを進める

ということです。

山では自分の身は自分自身で守るしかありません。!

しっかり実践をしていきましょう!

低ドロップシューズがいいんだね!これをしっかり覚えておくよ!!

今回で『ドロップ設計』及び『前回説明したトレランシューズの4種類』について、更にご理解いただけたかと思います!

次回は、『トレランシューズの選び方』について説明いたします。

それでは、

第4章:『トレランシューズの選び方<実戦編>

PART2:トレランシューズの選び方を知る:トレランレベルでの選び方に続きます!

こんにちは。 はしりびとです。 今回のテーマは、 販売のプロによる【安全に楽しむ為のトレランのはじめ方】 で...

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