こんにちは。
はしりびとです。
【失敗しないランニングシューズの選び方<入門編>】PART3:
『ランニングシューズのレベル別使い方を知る』その④上級者ランナー
を語らせていただきます!
このテーマは、全4PARTで語らせていただきます!
概要は↓の記事を読んでみてください。
1.はじめに
PART2では、【ランニングシューズの種類(9つのカテゴリー)】について解説し、『PART1で発見した自分のグループがどこのカテゴリーとマッチングするか』を明確にできたかと思います。
※まだの方は先にPART2①~③を読んでください。↓
今回は、自分に合ったランニングシューズカテゴリーの中からの【絞り込み方】をお伝えしていきます!更には、おすすめの【使い分け方】をお伝えしていきます!
ある意味これが一番重要ですので、ランナーグループ別に細か~~~~~く紹介していきます!今回は、『④上級者ランナー』編です!
※PART1で触れた【ランニング経験】がポイントになりますので思い出しておいてください。

それでは、早速【④上級者ランナー編】を始めましょう!!
2.上級者ランナーの特徴とマッチング
PART1とPART2の情報をまとめると下記になります。
・マラソン大会に出る
・フルマラソンで、<3時間>を切りたい
・ハーフマラソンで、<1時間25分~1時間20分>を切りたい
・10kmマラソンで、<38分~35分>を切りたい
上級者ランナーがマッチするカテゴリー
・クッショニング(距離のある練習用)
→分厚いクッションでランナーの足を守る(クッション性が高い)
→着地時に身体をぶれないようにする機能が入っている(安定生が高い)
→少し重たくはなるが、機能を豊富にし怪我の防止を目指す
・トレーニング(距離のある練習用)
→クッショニングよりもクッション性はやや劣る(それでもクッション性は高い)
→反面、軽さはクッショニングシューズより向上している(軽量性アップ)
→怪我の防止はもちろん、パフォーマンス向上も意図されている
・レーシング(練習用・本番用)
→クッション性はかなり低いが、とても軽量になっている(軽量性アップ)
→スピードを出すための機能にとことん拘っている(グリップ性や反発性)
→怪我の防止よりも、とにかく結果に拘る為の機能・意図が豊富になっている
・ナチュラル(練習用) ※モデルにより異なる
→人間本来の走り方(着地方法と着地位置)を養うシューズ(低ドロップ)
→使うべき筋肉を使うことで、正しい姿勢や身体のラインがスッキリしやすくなる
→クッショニング並の分厚いクッションがある(クッション性)
→疲労軽減の分厚いクッションで身体を守りながら、正しいフォームで走れるようになる
・ベアフット(練習用)
→人間本来の走り方(着地方法と着地位置)を極めるためのシューズ(低ドロップ)
→超薄底で、人間本来の走る為の能力(脚力・足裏力)を徹底的に養う
→使うべき筋肉を使うことで、正しい姿勢や身体のラインがスッキリしやすくなる
→一切の機能はなく、正しいフォームと使うべき筋肉のみで走れるようにする
・厚底カーボン系(練習用・本番用)
→クッショニング並の分厚いクッションがありながら軽量である(クッションと軽量)
→カーボンプレートはどの素材よりも反発力に優れている(圧倒的な反発力)
→疲労軽減の分厚いクッションと高反発カーボンで、疲労を抑えながらスピードが出せる
→厚いクッションだがカーボンの反発を使いこなすには脚力と経験が必要である
3.上級者ランナーの絞込みと『3足での使い分け』
中級者ランナーと同様に、選択するカテゴリーが非常に多いんです。ですが、上級者ランナーの場合、立派な脚力が備わってきているので、中級者ランナーより使い分けが簡単かと思います!
上級者ランナーは、今から紹介する3つのカテゴリーを使い分けて欲しいです!今回も理由を解説しながら説明していきます!
①1足目に持っていて欲しいシューズ
基本の練習と本番を走る為のメインシューズとして、上級者ランナーが持っておいて欲しいのが『レーシングカテゴリー』または『厚底カーボン系カテゴリー』となります!

そうですね!確かに、最近はほとんどの上級者ランナーが『厚底カーボン系』を履くようになりましたね!世界記録更新・日本記録更新・箱根駅伝の区間新記録など、厚底カーボン系は今世の中を席巻しています。
ですが、上級者だろうと『厚底カーボン系』がいいとは限りません!!
安全策を取るなら、『レーシングカテゴリー』を選び、目標達成に向けて攻めるなら『厚底カーボン系カテゴリー』を選ぶと考えた方がいいです!
『レーシング』は、クッションは少ないですが、安定感が高く、着地時にしっかりとぶれないように一歩を捉えて、グリップによる強い蹴り出しが可能です。オーソドックスで癖がなく、セーフティでリスクが少なく、このレベルのランナーなら誰でも履きやすいタイプです。
一方、『厚底カーボン系カテゴリー』は、高いクッション性とカーボンによる高い反発性(バネ)があることで、筋肉への負担を減らしながらも、圧倒的な推進力を得られます。しかし、<着地時の安定感は低く関節ブレが起きやすい>、<カーボンによる高反発が特定部位の筋肉に負担をかける>というデメリットもあり、リスクを追ってでも記録を目指したい方向けの【攻めカテゴリー】で、履く人を選ぶタイプです。
一方、厚底カーボン系カテゴリーのおすすめは、とても話題になっているNIKE(ベイパーフライというモデル)です!これを履いたほとんどの方が、基礎ペースは上がったとおっしゃっていますので反発力・推進力は他社と比べて郡を抜いていると言えます。しかし、フルマラソンのように長距離になるとリスクがあるため、上級者ランナーだろうと練習を通じて使用するかどうかの判断が必要です。
フィット感や足との相性・今まので経験にもよりますが、どのカテゴリーを選ぶかは履く方のメンタルに左右すると考えていいでしょう。また、ハーフマラソン以下の方は、攻めるタイプの厚底カーボン系カテゴリー(NIKEベイパーフライ)やレーシングカテゴリーのADIDASを履くと記録は上がりやすいですよ!
※メーカーごとのクッショニング素材の比較は別記事にて紹介
② 2、3足目に持っていて欲しいシューズ
<フォーム改善>として『ナチュラルカテゴリー』を持っていて欲しいです。
<距離練習用>、<疲労抜きランニング用>として『クッショニングカテゴリー』または『トレーニングカテゴリー』を持っていて欲しいです!

そうです、ほとんど同じになります!
違いは、<距離練習用>、<疲労抜きランニング用>として『クッショニング(トレーニング)カテゴリー』を持つという点です。
スピード練習は、本番でも使用する『レーシング』や『厚底カーボン系』で行うので、別途揃える必要はないです。また、上級者は平均週5程度練習するので、その分疲労が増えやすいです。その疲労抜き対策として、『クッショニング(トレーニング)カテゴリー』は持っていたほうがいいですね!
疲れを溜めないようにすることも立派な練習です!!
つまり、
『ナチュラルカテゴリー』を履いて、効率的なフォームを身につけて、レース後半までの無駄な疲労・負担をなくす
『クッショニング(トレーニング)カテゴリー』を履いて、疲労を溜めすぎないように調整する
そして、『レーシング』or『厚底カーボン系』を履いて、基本の練習・スピード練習をする(本番も使用する)
これが、上級者カテゴリーの絶対揃えるべき3足です!!
では、具体的な練習と使い分け方法を挙げてみます。
①通常時:『レーシング』or『厚底カーボン系』で12~15km程度
→12~15km程度を本番ペースか少し速いペースで走る(ペース走)
→3kmごとに、1kmのペースを10秒ずつ上げる練習も効果的(ビルドアップ走)
②2週に1回:『レーシング』『厚底カーボン系』で長距離走
→長距離(20~30km)を走って筋持久力をつける(ロング走)
→疲労が残りやすいため、体調に違和感のある日はしない
→疲労のある日は『クッショニング』で実施するのも良い
③1週に1回:『レーシング』or『厚底カーボン系』でインターバル走
→1kmインターバル(設定ペース:マラソンペース▲30秒、レスト120秒)を6~8本
→3kmインターバル(設定ペース:マラソンペース▲10秒、レスト180秒)を3~4本
→【心肺能力】【脚力】【筋持久力】を大幅に向上できる
→負荷が高いため、疲労がある日や体調に違和感のある日はしない
→走る時間が取れない日にも有効
④走る時間が長く取れない日:『ナチュラルシューズ』で8~10km程度
→時間が取れない日とかはフォームを磨く日(フォーム強化)
→ペースは気にしないで、走り方を意識する
→『ナチュラル』でフォームを意識してロング走も有効(フォーム維持ロング走)
⑤筋肉疲労のある日:『クッショニング』で30~60分程度ジョグ
→ペースは気にせずに軽く筋肉に刺激を入れる程度でいい(アクティブ・レスト)
→速いペースで走らないのがポイント
⑥ロング走明けの日:『クッショニング』で30分程度ジョグ
→ロング走明けは筋肉をほぐす意味でジョグをするといい(疲労抜きのジョグ)
→疲労抜けも早くなるので有効
※インターバル走:ある一定距離(200m/400m/1km/3km)を呼吸が上がる速いペースで走り、一定時間レスト(歩かずに少しだけ呼吸を整える程度20~180秒程度)するのを3~10本程度繰り返すトレーニング。追い込むペースは距離に応じて変化する。このトレーニングをすることで、【基礎ペース力向上(今まで1kmで5分30秒で走ると息が上がっていたが5分15秒でも息が上がらなくなった等)】、【脚力・筋力向上】が見込める。反面、身体への負荷が高いため、高頻度で行うと怪我の発生・体調不良を招きやすい
※ビルドアップ走:一定距離ごとにペースを少しずつ引き上げていく練習法です(一般的なのは、3km通過毎に1kmのペースを10秒ずつ上げていき、合計9~12km走るパターン。設定ペースは、最初の3kmを<マラソン本番ペース-10秒>で入るのが一般的)これにより、心肺能力を低負荷で育てることが出来る。インターバルより取り組みやすい。
※アクティブレスト:<積極的休養>といい、ゆっくりペースで30分程度走ることで固まった筋肉をほぐす役割がある。特に、練習頻度が多く、トレーニング負荷の高い練習をする中級者ランナー・上級者ランナーは取り入れることで怪我のリスクを回避できる
なんとなく練習パターンでの使い分け方をのイメージ湧きましたでしょうか?
上記は、実際にわたしが店頭でお客様に提案して実践いただいている使い分け方法です!
そして、私自身もサブ3を達成した時にはこのパターンを実践していました!
これをやっていただいた顧客様の中には、『念願のサブ3を達成できました』、『明らかに以前より速いペースで走っても疲れなくなりました』、『今までよりも疲労が溜まりにくくなりました』、『筋肉のハリが少なくなったように思います』という方もいらっしゃいました!
※もちろん本人様の努力があってこそです!!!!!
上級者ランナーにおすすめのクッショニングモデル・トレーングモデルは、ASICSやMIZUNOのモデルです! ASICSだと『GEL素材(透明なやつ)』、MIZUNOだと『MIZUNOウェーブ(波型をしているプレート)素材』を使用しているモデルがいいです!この2つの素材は、他社同レベルのモデルと比べてもクッション性と安定感のバランスに優れています!疲労抜き・アクティブレストには非常に効果を発揮しやすいですよ!フィット感や足との相性もあるので確実なことは言えませんが、この2ブランドから選べば大きな間違いは起きにくいですよ!
※各モデルの特徴は別記事にて紹介
4.更にレベルアップを目指すなら!!
最後に、<もっとレベルアップしたいという方>向けに、おすすめのカテゴリーを紹介します!
<フォームに関してもっと極めたい>や<自分の足で走れる能力を身につけたい>という方は、『ベアフットカテゴリー』を追加してみてください!
特に、上級者ランナーの方は、記録達成に向けたアプローチとしてチャレンジしてみて欲しいです!今まで気づけなかった【走り方・体の使い方】を習得できるシューズです!

是非、上級者ランナーを含む【すべてのランナー】に試して欲しいです!!
しかし、上級者ランナーでも『ベアフットカテゴリー』は、いきなり走ることを推奨しません。特に、走りたい欲の高い上級者ランナーは走れないことにモヤモヤすると思います。そこはジッと我慢してください。
ですが、ベアフットは、『ながら歩き』として使用することで、日常を練習に変えることも可能です。詳しい使い方は、下記記事に書いていますので、実践方法を守って始めてみてください!
5.まとめ
要点をまとめます!
・上級者ランナーが持っておくべき1足は、【レーシング】または【厚底カーボン系】
→レース本番から練習まで使える基本の1足
→【レーシング】は、セーフティでリスクが少なく、このレベルのランナーなら誰でも履きやすい
→【厚底カーボン系】は、リスクを追ってでも記録を目指したい方向けの【攻めカテゴリー】で履く人を選ぶ
→インターバルでも使用し、心肺能力・基礎ペース力を向上させて、レースすべてをハイペースで維持できる能力を養う
・【ナチュラル】と【クッショニング(トレーニング)】を併用し、3つのカテゴリーを使い分ける
→【ナチュラルカテゴリー】を履いて、効率的なフォームを身につけて、レース後半のまでの無駄な疲労・負担をなくす
→【クッショニング(トレーニング)】を履いて、疲労をたまりにく状態にする。疲れを溜めにくくすることも上級者ランナーの練習の1つ
→併用することで1足辺りの耐久性もよくなる
→ロング走は上記3足を使い分けることも可能
・<フォームを極めたい方>や<自分自身の能力を高めたい方>は、【ベアフットカテゴリー】を併用
→上級者ランナーだからこそ試して欲しい。新しいアプローチで記録達成に向けて取り組む
→ハイリスクな為、使用の仕方には注意が必要

先述したとおり、実際の顧客様でも、『念願のサブ3を達成できました』、『明らかに以前より速いペースで走っても疲れなくなりました』、『今までよりも疲労が溜まりにくくなりました』、『筋肉のハリが少なくなったように思います』という声をたくさん頂いています!そして、私自身もこの方法でサブ3を達成できました!!
上級者ランナーの皆様は、自分自身で考える能力が高いとは思いますが、改めて自分お練習方法や選んでいるシューズを客観的に見直して、必要な対策を試してみてください!まだまだサブ3に向けてやれることありますよ!!
それでは、PART3:『ランニングシューズのレベル別使い方を知る』その⑤ヘルス系ランナー・ファンランナーに続きます!
↓
今日も怪我なく楽しくランニングライフを楽しみましょう!!
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ランニングが大好きで、大手スポーツ店のランニングコーナーで働いて10年『はしりびと』です。多くの商品を使用体感し、全国の店員へのランニング知識の指導、ランニング新製品のアナライザー(製品特徴を分析する仕事)などをしております。ランナーとしても、サブ3、サブ9を達成。夢は【楽しく健康にランニングをお手伝いすること】です。