こんにちは。
はしりびとです。
【失敗しないランニングシューズの選び方<入門編>】PART3:
『ランニングシューズのレベル別使い方を知る』その③中級者ランナー
を語らせていただきます!
このテーマは、全4PARTで語らせていただきます!
概要は↓の記事を読んでみてください。
1.はじめに
PART2では、【ランニングシューズの種類(9つのカテゴリー)】について解説し、『PART1で発見した自分のグループがどこのカテゴリーとマッチングするか』を明確にできたかと思います。
※まだの方は先にPART2①~③を読んでください。↓
今回は、自分に合ったランニングシューズカテゴリーの中からの【絞り込み方】をお伝えしていきます!更には、おすすめの【使い分け方】をお伝えしていきます!
ある意味これが一番重要ですので、ランナーグループ別に細か~~~~~く紹介していきます!今回は、『③中級者ランナー』編です!
※PART1で触れた【ランニング経験】がポイントになりますので思い出しておいてください。
それでは、早速【③中級者ランナー編】を始めましょう!!
2.中級者ランナーの特徴とマッチング
PART1とPART2の情報をまとめると下記になります。
・マラソン大会に出る
・フルマラソンで、<4時間/3時間30分>を切りたい
・ハーフマラソンで、<1時間45分~1時間30分>を切りたい
・10kmマラソンで、<45分~40分>を切りたい
中級者ランナーがマッチするカテゴリー
・クッショニング(距離のある練習用)
→分厚いクッションでランナーの足を守る(クッション性が高い)
→着地時に身体をぶれないようにする機能が入っている(安定生が高い)
→少し重たくはなるが、機能を豊富にし怪我の防止を目指す
・トレーニング(距離のある練習用)
→クッショニングよりもクッション性はやや劣る(それでもクッション性は高い)
→反面、軽さはクッショニングシューズより向上している(軽量性アップ)
→怪我の防止はもちろん、パフォーマンス向上も意図されている
・レーシングトレーニング(練習用・本番用)
→クッション性は低いが、軽量になっている(軽量性アップ)
→スピードを出しやすいような機能が豊富(グリップ性や反発性)
→怪我の防止よりも、パフォーマンス向上の意図が大きくなっている
・レーシング(スピード練習用)
→クッション性はかなり低いが、とても軽量になっている(軽量性アップ)
→スピードを出すための機能にとことん拘っている(グリップ性や反発性)
→怪我の防止よりも、とにかく結果に拘る為の機能・意図が豊富になっている
・ナチュラル(練習用・本番用) ※モデルにより異なる
→人間本来の走り方(着地方法と着地位置)を養うシューズ(低ドロップ)
→使うべき筋肉を使うことで、正しい姿勢や身体のラインがスッキリしやすくなる
→クッショニング並の分厚いクッションがある(クッション性)
→疲労軽減の分厚いクッションで身体を守りながら、正しいフォームで走れるようになる
・ベアフット(練習用)
→人間本来の走り方(着地方法と着地位置)を極めるためのシューズ(低ドロップ)
→超薄底で、人間本来の走る為の能力(脚力・足裏力)を徹底的に養う
→使うべき筋肉を使うことで、正しい姿勢や身体のラインがスッキリしやすくなる
→一切の機能はなく、正しいフォームと使うべき筋肉のみで走れるようにする
・厚底カーボン系(練習用・本番用)
→クッショニング並の分厚いクッションがありながら軽量である(クッションと軽量)
→カーボンプレートはどの素材よりも反発力に優れている(圧倒的な反発力)
→疲労軽減の分厚いクッションと高反発カーボンで、疲労を抑えながらスピードが出せる
→厚いクッションだがカーボンの反発を使いこなすには脚力と経験が必要である
3.中級者ランナーの絞込みと『3,4足での使い分け』
マッチングするカテゴリーが最も多く(というか全部!!)、最も自分に合ったシューズを選ぶのが難しいのが、この中級者ランナーです。その理由も当然で、大会に出るランナーグループの中で一番人口が多いのがこの中級者ランナー(フルマラソン4時間切りを目指すランナー)だからです!
その為、各社熾烈な競争を繰り広げ、ランニングシューズ戦国時代において、一番激しい争いがこの中級者ランナーを対象としたシューズカテゴリーになります!少し難しくもありますが、自分に合ったランニングシューズを選ぶためにも、是非読みすすめてください!そして、今回もおすすめのカテゴリー3~4つを使い分ける手法をお伝えします!
※以前の記事でも書いていますが、1足のみで練習と本番を兼用してしまうと、シューズの耐久性が落ち、走力アップやフォーム改善などの+αの練習ができないというデメリットがあります
①1足目に持っていて欲しいシューズ
基本の練習と本番を走る為のメインシューズとして、中級者ランナーが持っておいて欲しいのが『レーシングトレーニングカテゴリー』または『厚底カーボン系カテゴリー』となります!
※<フルマラソンで4時間~3時間30分>を切りたい、<ハーフマラソンで1時間30分>を切りたい、<10kmマラソンで40分>を切りたいという方向けのレース本番用の勝負シューズです。
どちらかのカテゴリーを本番用に持っていればとりあえず大丈夫です!
そして、安全策を取るなら、『レーシングトレーニングカテゴリー』を選び、目標達成に向けて攻めるなら『厚底カーボン系カテゴリー』を選びましょう!
※本当はそれぞれ特性が違うので別々に持っていて欲しいですが、今回は絞るという視点からどちらかにしております。
『レーシングトレーニングカテゴリー』は、クッション性は少ないですが、安定感は高く、着地時にしっかりとぶれないように一歩を捉えて、グリップによる蹴り出しが可能です。オーソドックスで癖がなく、セーフティでリスクが少なく、このレベルのランナーなら誰でも履きやすいタイプです。
一方、『厚底カーボン系カテゴリー』は、高いクッション性とカーボンによる高い反発性(バネ)があることで、筋肉への負担を減らしながらも、圧倒的な推進力を得られます。しかし、<着地時の安定感は低く関節ブレが起きやすい>、<カーボンによる高反発が特定部位の筋肉に負担をかける>というデメリットもあり、リスクを追ってでも記録を目指したい方向けの【攻めカテゴリー】で、履く人を選ぶタイプです。
一方、厚底カーボン系カテゴリーのおすすめは、とても話題になっているNIKE(ズームフライというモデル)です!これを履いたほとんどの方が、基礎ペースは上がったとおっしゃっていますので反発力・推進力は他社と比べて郡を抜いていると言えます。しかし、フルマラソンのように長距離になるとリスクがあるため、練習を通じて使用するかどうかの判断が必要です。
フィット感や足との相性・今まので経験にもよりますが、どのカテゴリーを選ぶかは履く方のメンタルに左右すると考えていいでしょう。また、ハーフマラソン以下の方は、攻めるタイプの厚底カーボン系カテゴリー(NIKEズームフライ)やレーシングトレーニングカテゴリーのADIDASを履くと記録は上がりやすいですよ!
※メーカーごとのクッショニング素材の比較は別記事にて紹介
② 2足目、3足目に持っていて欲しいシューズ
<フォーム改善>として『ナチュラルカテゴリー』を使用し、<スピード練習用>として『レーシングカテゴリー』を使用するのが理想です!
サブ4~3.5を目指す方なら、最低でもこの3足は持っておくことを推奨します!!
※<フルマラソンで4時間~3時間30分>を切りたいことを、サブ4、サブ3.5と表現します。サブとは「~以下」という意味になりますので、サブ4は「4時間以下」、つまり、4時間切りを目指すひとのことを指します。
そうです、使い分けが大事です!それも、サブ4を狙うランナーなら持っておくべきです!!
その理由は、脱初心者ランナー編でもお伝えした30kmの壁です。
『30kmを過ぎたら足が別人のように動かなくなる』、『30kmからペースが急激に落ちる』、『35kmで足が毎回痙攣する』などなど。これらは30kmの壁と呼ばれ、非常に多くのランナーの目標達成を邪魔してきます!!(ほんと憎たらしいほど!!!!!!!)
この30kmの壁は、30kmを過ぎたランナーの前に何の前触れもなく突然現れて失速させてくるのですが、実はこの壁が起きるのは30km以前の走りに問題があるからなんです。
その問題はいくつかありますが、<4時間切り・3時間30分切り>の中級者ランナーの場合は、走りきるだけの筋肉は備わっているので、あとは【①疲れを招きやすい非効率的なフォーム】を改善し、【②心肺能力、基礎ペース】を向上させることが重要になってきます。
※他にも、【ペースが上下しすぎる】、【サプリなどの補給不足】などが挙げられますがそれはまた別記事にて紹介します。
つまり、
『ナチュラルカテゴリー』を履いて、効率的なフォームを身につけて、レース後半までの無駄な疲労・負担をなくす
『レーシングカテゴリー』を履いて、心肺能力・基礎ペース力を向上させて、レースすべてをハイペースで維持できる能力を養う
これと基本練習用・レース本番用の『レーシングトレーニングカテゴリー』or『厚底カーボン系』を履いて、30kmの壁に備えた練習をする
これが、中級者カテゴリーの目標達成のための必勝法です!!
具体例を挙げてみます。
①通常時:『レーシングトレーニング』『厚底カーボン系』で10~12km程度
→10~12km程度を本番ペースかやや速いペースで走る(ペース走)
→3kmごとに、1kmのペースを10秒ずつ上げる練習も効果的(ビルドアップ走)
②2週に1回:『レーシングトレーニング』『厚底カーボン系』で長距離走
→長距離(20~30km)を走って筋持久力をつける(ロング走)
→疲労が残りやすいため、体調に違和感のある日はしない
→疲労を残さないために『クッショニングカテゴリー』で実施するのも有効
③2週に1回:『レーシング』でインターバル走
→1kmインターバル(設定ペース:マラソンペース▲30秒、レスト:120秒)を6本実施
→【心肺能力】【脚力】【筋持久力】を大幅に向上できる
→負荷が高いため、疲労がある日や体調に違和感のある日はしない
→走る時間が取れない日にも有効
④走る時間が長く取れない日:『ナチュラルシューズ』で8~10km程度
→30~40分程度しか時間が取れない日とかはフォームを磨く日(フォーム強化)
→ペースは気にしないで、走り方を意識する
→慣れてくれば、距離や時間を伸ばすのもいい(フォーム維持ロング走)
※インターバル走:ある一定距離(200m/400m/1km/3km)を呼吸が上がる速いペースで走り、一定時間レスト(歩かずに少しだけ呼吸を整える程度20~180秒程度)するのを3~10本程度繰り返すトレーニング。追い込むペースは距離に応じて変化する。このトレーニングをすることで、【基礎ペース力向上(今まで1kmで5分30秒で走ると息が上がっていたが5分15秒でも息が上がらなくなった等)】、【脚力・筋力向上】が見込める。反面、身体への負荷が高いため、高頻度で行うと怪我の発生・体調不良を招きやすい
※ビルドアップ走:一定距離ごとにペースを少しずつ引き上げていく練習法です(一般的なのは、3km通過毎に1kmのペースを10秒ずつ上げていき、合計9~12km走るパターン。設定ペースは、最初の3kmを<マラソン本番ペース-10秒>で入るのが一般的)これにより、心肺能力を低負荷で育てることが出来る。インターバルより取り組みやすい。
少し疲れやすいですが、『レーシングカテゴリー』でのインターバル走は、サブ4を目指すランナーにとって非常にメリットが大きいので、是非実践をしてみてください!!(しんどいので、頻度は2週に1回で十分ですよ!)
レーシングのおすすめモデルは特に細かくはありません!(あえて設定しません)最初は手を出しやすいクリアランス価格のものから選んでもらってもいいと思います!【レーシングトレーニングよりもクッションが薄いモデル】という条件で探すのがいいと思います!
※各モデルの特徴は別記事にて紹介
③出来れば4足目に持っていて欲しいシューズ
<距離練習用>、<疲労抜きランニング用>として『クッショニングカテゴリー』または『トレーニングカテゴリー』を持っていて欲しいです!
はい!できるなら持っていて欲しいです!!
それもこのレベルのランナーだからこそ持っていて欲しいです!
というのも、中級者ランナー・上級者ランナークラスになると練習力が増えてくることもあり、常に体のコンディションが良い状態で練習できるとは限らないのです。そして、そんな状況でも練習をしていく必要があるので、練習をしながらも休ませてくれるシューズが必要で、それこそがワンランク下の『クッショニングカテゴリー』、『トレーニングカテゴリー』なんです!
上の具体例と同じランナーで使用例を挙げてみます。
①筋肉疲労のある日:『クッショニング』で30~60分程度ジョグ
→ペースは気にせずに軽く筋肉に刺激を入れる程度でいい(アクティブ・レスト)
→速いペースで走らないのがポイント
②ロング走明けの日:『クッショニング』で30分程度ジョグ
→ロング走明けは筋肉をほぐす意味でジョグをするといい(疲労抜きのジョグ)
→疲労抜けも早くなるので有効
※アクティブレスト:<積極的休養>といい、ゆっくりペースで30分程度走ることで固まった筋肉をほぐす役割がある。特に、練習頻度が多く、トレーニング負荷の高い練習をする中級者ランナー・上級者ランナーは取り入れることで怪我のリスクを回避できる
なんとなく使い分け方のイメージ湧きましたでしょうか?
上記は、実際にわたしが店頭でお客様に提案して実践いただいている使い分け方法です!これをやっていただいた顧客様の中には、『この練習をしてから記録が一気に伸びた(初めてサブ4達成)』、『練習にメリハリが出来て、また走るのが楽しくなった』、『シューズを選ぶ楽しみが増えてランニングを楽しさを改めて知った』という方もいらっしゃいました!
※もちろん本人様の努力があってこそです!!!!!
※メーカーごとのクッショニング素材の比較は別記事にて紹介
4.更にレベルアップを目指すなら!!
最後に、<もっとレベルアップしたいという方>向けに、おすすめのカテゴリーを紹介します!
<フォームに関してもっと極めたい>や<自分の足で走れる能力を身につけたい>という方は、『ベアフットカテゴリー』を追加してみてください!
そうです!!ベアフットは万能です!
『ベアフットカテゴリー』は、いきなり走ることを推奨していないので、特にレベルの高いランナーは走れないことにモヤモヤすると思います。そこはジッと我慢してください。
ですが、ベアフットは、『ながら歩き』として使用することで、日常を練習に変えることも可能です。詳しい使い方は、下記記事に書いていますので、実践方法を守って始めてみてください!
5.まとめ
要点をまとめます!
・中級者ランナーが持っておくべき1足は、【レーシングトレーニング】または【厚底カーボン系】
→レース本番から練習まで使える基本の1足
→【レーシングトレーニング】は、セーフティでリスクが少なく、このレベルのランナーなら誰でも履きやすい
→【厚底カーボン系】は、リスクを追ってでも記録を目指したい方向けの【攻めカテゴリー】で履く人を選ぶ
・【ナチュラル】と【レーシング】を併用し、3つのカテゴリーを使い分ける
→30kmの壁を越えるために必要なシューズ
→【ナチュラルカテゴリー】を履いて、効率的なフォームを身につけて、レース後半のまでの無駄な疲労・負担をなくす
→【レーシング】を履いて、心肺能力・基礎ペース力を向上させて、レースすべてをハイペースで維持できる能力を養う
→併用することで1足辺りの耐久性もよくなる
・<疲労抜き用>、<アクティブレスト(積極的休養)>として、【クッショニング】または【トレーニング】を併用
→疲労がたまりやすい中級者ランナーは取り入れるほうが良い
→ロング走のあとに実施すると疲労抜けも早くなる
・<フォームを極めたい方>や<自分自身の能力を高めたい方>は、【ベアフットカテゴリー】を併用
→ハイリスクな為、使用の仕方には注意が必要
先述したとおり、実際の顧客様でも、『この練習をしてから記録が一気に伸びた(初めてサブ4達成)』、『練習にメリハリが出来て、また走るのが楽しくなった』、『シューズを選ぶ楽しみが増えてランニングを楽しさを改めて知った』という声をたくさん頂いています!
是非、中級者ランナーの皆様も、自分自身で考え、自分のレベルや環境に合った組み合わせや使い分け方を試してほしいと思います!
それでは、PART3:『ランニングシューズのレベル別使い方を知る』その④上級者ランナーに続きます!
↓
今日も怪我なく楽しくランニングライフを楽しみましょう!!
はしりびとはブログランキングに参加しています!
いい記事だなと思ったマニアの方は、応援の意味で下記をクリックお願いします!
ランニングが大好きで、大手スポーツ店のランニングコーナーで働いて10年『はしりびと』です。多くの商品を使用体感し、全国の店員へのランニング知識の指導、ランニング新製品のアナライザー(製品特徴を分析する仕事)などをしております。ランナーとしても、サブ3、サブ9を達成。夢は【楽しく健康にランニングをお手伝いすること】です。