こんにちは。
はしりびとです。
【失敗しないランニングシューズの選び方<入門編>】PART2:
『ランニングシューズのカテゴリーを知る』その②
を語らせていただきます!
このテーマは、全4PARTで語らせていただきます!
概要は↓の記事を読んでみてください。
1.前回のおさらい
前回の<PART2『ランニングシューズのカテゴリーを知る』その①>で、ランニングシューズには9つのカテゴリーがあることを説明しました。その内、【①クッショニング、②トレーニング、③レーシングトレーニング、④レーシング】の4つを詳細説明しました。
※詳しくは<PART2『ランニングシューズのカテゴリーを知る』その①>を読んでください。↓
今回は、
少し特殊なカテゴリーの【⑥ナチュラル】と【⑦ベアフット】
最近市場に増えてきたカテゴリー【⑧厚底カーボン系】
を説明していきます。

それでは、早速始めます!!
2.『⑥ナチュラル』を理解する前に知っておくべきこと
【ナチュラルカテゴリー】を一言でいうと、『クッショニングカテゴリーやトレーニングカテゴリーと同等のクッション性がありながら、履いた人のランニングフォームを理想的なフォームに近づける機能をもったシューズ』です。
そして、それを実現するためのポイントが、シューズの爪先部(前足部)と踵部の高さの差がない<低ドロップ設計>です。
よくわかりませんよね!
これを理解するには、理想的なランニングフォームがなんであるかを知る必要がありますので、それを説明します。既に知っている方も復習がてら読んでみてください!
「人間は本来裸足で走ることができます。」これはランニングシューズを履いて走ることが当たり前になった今では考えにくいことですが、紛れもない事実です。そして、その裸足で走っている時のフォームは最も効率が良く怪我をしにくい走り方になるようにできています。これこそが理想的なランニングフォームと言えます。そのフォームのポイントは以下の2つです。
①人間は【前足部】で着地するように出来ている
簡単なテストをするとわかります。その場でジャンプをしてみてください。どこで着地しますか?踵ですか?爪先(前足部)ですか?・・・・爪先(前足部)もしくはですよね!(踵で着地しようとしてみると、恐ろしくて出来ないとお分かりいただけると思います)
つまり、理想的なフォームは爪先(前足部)であると言えます。決して踵では有り得ないのです。
②【身体(おへそ)の真下】に足を着地させるようにできている
これも上記と同様のテストをするとわかります。今度は片足でその場でジャンプしてみてください。着地は爪先(前足部)だと思いますが、ここで感じて欲しいのは、<着地の位置>です。その場でジャンプして、身体(おへそ)の前に足を出して着地をすることが出来ますか?・・・出来ませんよね!というか、たぶんやり方わかりませんよね!
つまり、理想的なフォームは身体(おへそ)の真下に着地するようにできていると言えます。
どうでしょうか?!理想的なランニングフォームのポイントは理解できましたか?

では、次にこの理想的なランニングフォームとシューズとの関連性を見ていきます!
※少し難しいのですがお付き合いください。
クッショニングシューズで考えてみましょう。クッショニングは分厚いクッションが衝撃から身体を守ってくれます。そして、このクッショニングは、勝手に身体が前に進むように、踵が厚く前足部(爪先側)が少し薄い『下り坂設計』になっています。下り坂は何もしないでも勝手にスピードが出てスイスイ進めますよね。靴の中で坂道を作ってあげることで、転がるように勝手にすすめるという理屈です。この坂道設計を【高ドロップ】といいます。(踵と前足部の厚みの差が1.0cm以上は高ドロップ傾向)
ですが、この【高ドロップ】は良いことばかりではありません。踵が高すぎるが為に、足が着地する際に踵が先に地面に触れてしまう=『踵着地になりやすい』という点があります。また、高ドロップは下り坂設計の傾斜が強すぎて、前足部で着地すると慣性の法則でスピードが出すぎてしまい前足部着地をすると怖いという点もあります。更に、出過ぎるスピードを抑えようとブレーキをかけようとして、身体を後傾させる=『身体(おへそ)の真下で着地しなくなる』ということにもなってしまいます。
なんとなく答えが見えてきたと思います!このナチュラルランニングシューズは、クッショニングモデルやトレーニングモデルのように最低限の身体を守れる能力を備えながらも、【低ドロップ】にすることで理想的なランニングフォームしやすくする為のシューズと言えます。(踵と前足部の差が0.8cm以下は低ドロップ傾向)
つまり、低ドロップのナチュラルランニングシューズは、身体を守りながらも、理想的なランニングフォームのポイント、『前足部着地』や『身体(おへそ)の真下で着地』をしやすく出来るシューズということです。
更に、理想的なランニングフォームで走ると、【人間本来の正しい姿勢】を身につけられたり、本来使うべき筋肉を使うようになることで【身体のラインがスッキリする】といったことも見込めます。
※個人差はあります。

欠点ではありませんが、理想的なランニングフォームを習得するにあたり気をつける点はあります。それは、いままでわたしたちはシューズを履いて走ることが当たり前であったため、理想的なフォームをするための身体や筋肉になっていないという点です。特に、前足部での着地に使用する筋肉はほとんど使っていないので、いきなり前足部着地で長時間走ると足を痛めてしまう可能性もあります。
しかし、このナチュラルシューズはクッション性があるというのが利点です。【前足部着地】を実践しながらも、足が疲れてきた場合は【足裏全体着地】での走りをしてもいいんです!(最悪、踵着地をしても怪我をしないだけのクッション性を備えています)
※足裏全体着地:踵から中足部(土踏まず)辺りまでの全体で着地する方法。踵着地と前足部着地の中間と言われ、前足部着地ほど理想的な着地ではないが、踵着地のように人間本来の走り方を壊すような矛盾した着地でない。前足部習得までの準備段階の走りとして使い分けするといい。


いえいえ!!高ドロップはそれはそれでメリットもあるんですよ!例えば、
まだランニングを始めていない【初心者ランナー】・【ヘルス系ランナー】・【トレーニング系ランナー】・【ファンランナー】は、まだ走る身体や筋肉ができていないので、リスクを抑える為にも高ドロップシューズは有効です!
また、フルマラソンの大会で本当に疲れてきたときにしっかりと助けてくれるのは、下り坂機能のある高ドロップシューズです。
それぞれにメリットはありますので、しっかり覚えておきましょう!
詳しくは、PART3で記載する『ランニングシューズのレベル別使い方を知る』で使いこなし方を説明していきます!
3.『⑥ナチュラル』について
では、ナチュラルカテゴリーの目的(特徴)とターゲットを見ていきましょう!
⑥ナチュラル
代表モデル:
HOKA ONE ONE:クリフトン
ON:クラウドサーファー
NEW BALANCE:フレッシュフォームシリーズ
・人間本来の走り方(着地方法と着地位置)を養うシューズ(低ドロップ)
・使うべき筋肉を使うことで、正しい姿勢や身体のラインがスッキリしやすくなる
・クッショニング並の分厚いクッションがある(クッション性)
・疲労軽減の分厚いクッションで身体を守りながら、正しいフォームで走れるようになる
【ターゲットグループ】
すべてのランナーがターゲットに入ります
・初心者ランナー/脱初心者ランナー/中級者ランナー(練習用・本番用のシューズ) ※1
・上級者ランナー(練習用)
・ヘルス系ランナー/トレーニング系ランナー/ファンランナー(日々の練習用)
※1:【練習用のみがいいモデル】と【練習も本番も使えるモデル】があります。詳しくは別の記事で紹介していきます。
4.『⑦ベアフット』を理解する前に知っておくべきこと
ベアフットは直訳すると【裸足】です。つまり、このカテゴリーは【裸足シューズ】といえます。どんな特徴のシューズかと言うと、『ナチュラルカテゴリーの機能から<クッション性>をなくした、極めて裸足の状態に近いシューズ』のことです。

そうですね、危険といえば危険です(笑)。
「人間は本来裸足で走ることができます。」という考えそのままのシューズですので、いきなり走る事は本当に危険なんです。また、走れるようになるには相当な時間を要します。足を休ませてあげるという考えは一切ありません。しかし、これを履きこなせるようになれば、
1.理想的なランニングフォームに最も近づけられる
2.走る為に必要なあらゆる能力を身につけられる(脚力・足裏力) ※1
というメリットはあります。
※1:ベアフットで身につけられる能力に関しては、別記事の<今こそはじめよう!ベアフットランニング!【入門編①②】>でも書いていますので、詳しく知りたい方は↓をご覧下さい。
ベアフットの知識↓
ベアフットの実践方法↓
ナチュラル同様に、詳しくはPART3で記載する『ランニングシューズのレベル別使い方を知る』で使いこなし方を説明していきます!
5.『⑦ベアフット』について
では、ベアフットカテゴリーの目的(特徴)とターゲットを見ていきましょう!
⑦ベアフット
代表モデル:
Vibram 5 fingers:KMDスポーツ
LUNAサンダル:Origen フラコ
MERRELL:ベイパーグローブ
・人間本来の走り方(着地方法と着地位置)を極めるためのシューズ(低ドロップ)
・超薄底で、人間本来の走る為の能力(脚力・足裏力)を徹底的に養う(サポート機能なし)
・使うべき筋肉を使うことで、正しい姿勢や身体のラインがスッキリしやすくなる
・一切の機能はなく、正しいフォームと使うべき筋肉のみで走れるようにすることが目的
【ターゲットグループ】
すべてのランナーがターゲットに入ります
・初心者ランナー/脱初心者ランナー/中級者ランナー/上級者ランナー
→練習用のシューズのみ
・ヘルス系ランナー/トレーニング系ランナー/ファンランナー(日々の練習用)
※ランナーグループのレベルに関係なく練習用シューズである。どのレベルであろうとまずは歩くことと基礎トレから始める必要があります。いきなり走るのはNGです。
6.『⑧厚底カーボン系』について
この【厚底カーボン系カテゴリー】は、つい最近市場に登場してきたカテゴリーです。このカテゴリーが一躍トレンドになったのは、【箱根駅伝やMGCで見たあのNIKEのピンク色の靴】の影響が大きいです。昔はなかったカテゴリーですので、しっかりご紹介しておきます。
⑧厚底カーボン系
代表モデル:
NIKE:ベイパーフライNEXT%
NIKE:ズームフライ
HOKA ONE ONE:カーボンX
・記録更新を目指す方向け結果が全てタイプのシューズ
・クッショニング並の分厚いクッションがありながら軽量である(クッションと軽量)
・カーボンプレートはどの素材よりも反発力に優れている(圧倒的な反発力)
・疲労軽減の分厚いクッションと高反発カーボンで、疲労を抑えながらスピードが出せる
・ただし、厚いクッションがあるとはいえ、カーボンの反発を使いこなすには脚力と経験が必要である
【ターゲットグループ】
・中級者ランナー/上級者ランナー(練習用・本番用のシューズ)
とても話題になっていることもあり、いろんなランナーの方が【厚底カーボン系】を履いています。しかし、このカテゴリーは、『使いこなせるようになるには時間がかかる』、『使いこなすにはある一定以上の脚力(中級者以上)が必要』になります。テレビで見るマラソンランナーのように、いきなりレースに出て記録が上がるわけではありません。また、誰もがその機能を活かせるとは限りません。上級者でも初めは負担は大きいので気をつけて使用する必要があるんです。お店によってはこの理解がされておらず、初心者でも勧められてしまうケースもあります。


更に、ほとんどの厚底カーボン系はナチュラル要素(低ドロップ設計)になっていますので、理想的なランニングフォームで走りやすいという点もあります。
これから、この厚底カーボン系はどんどん増えてくると思われますので是非覚えておいてください!
7.今回のまとめ
さぁ、少し難しかった今回のカテゴリーご理解頂けましたか?!
この3つのカテゴリーは、【最新のランニングシューズカテゴリー】です!
こういった考え方のシューズがこれから増えてくると予想されています!
この3つのカテゴリーをしっかり理解し、前回の4つの基本カテゴリーと組み合わせて、自分に合ったシューズを選んでいきましょう!


<PART2:『ランニングシューズのカテゴリーを知る』その②>は、ここまでです!
次は、
ジョグ(安いシューズ)のカテゴリー
9つのカテゴリーのまとめ
をしていきます!
それでは、PART2:『ランニングシューズのカテゴリーを知る』その③に続きます!
↓
今日も怪我なく楽しくランニングライフを楽しみましょう!!
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ランニングが大好きで、大手スポーツ店のランニングコーナーで働いて10年『はしりびと』です。多くの商品を使用体感し、全国の店員へのランニング知識の指導、ランニング新製品のアナライザー(製品特徴を分析する仕事)などをしております。ランナーとしても、サブ3、サブ9を達成。夢は【楽しく健康にランニングをお手伝いすること】です。