こんにちは。
はしりびとです。
今回は最近急激にラインナップが増えてきた
”楽に勝手に進める”が特徴の『ロッカー構造』について販売のプロ目線で語ろう
と思います!
「ぶっちゃけ、HOKAみたいに勝手に進む・転がるシューズ(ロッカー構造のシューズ)ってどうなの??」
これは、店頭で私がよく受ける質問の1つです。<勝手に進む系シューズ>・<転がる系シューズ>が増えてきたこともあり、聞かれることが非常に増えてきました。
先にわたしがいつも回答する答えを書くと、
「メリットもデメリットもありますよ!状況と使い方次第ですね!」
と答えています。
勝手に進むことでいいことはたくさんありますが、完璧ないいシューズなんてものはありません。必ずデメリット(弱点)は存在します。それは《ロッカー構造》にしても同じです。
今回は、《ロッカー構造》の”良いところ”と”弱点”をしっかりお伝えさせていただきます!!

誤解しないでいただきたいのは、《ロッカー構造》が悪いと言いたいわけでは全くありません!ただ、完璧なものはないということをお伝えしたいと思います。
まずは、ロッカー構造がどんなテクノロジーかをお伝えしておきます!
※『HOKA ONE ONE』と言えば、昨今の軽量クッション・厚底ブームを巻き起こした元祖ブランドとしても有名です。実は『HOKA ONE ONE』はそれだけではなく、着地した瞬間に勝手に前に進む《ロッカー構造》というブームも作り出していたのです 要は、足が接地した瞬間に、止めることなく身体を前に押し流すテクノロジーで、タイトルのとおり、『楽に勝手にすすめる』ことを追求した機能です。 では、次に《ロッカー構造》のいいところをお伝えしていきます!! ロッカー構造は非常に素晴らしい機能です!挙げればきりがないくらい良いサポートです。そんな中から、はしりびと的にいいところを3つ挙げたいと思います!! ミッドソール素材の【反発性】に近いような特性ですが、反発は「着地衝撃をそのまま跳ね返して推進力に変えるバネのような機能」です。つまり、反発性は、<身体を前に飛ばす>という表現が近いです。 一方、《ロッカー構造》の機能は、「着地した瞬間から前に身体を運ぶ機能(ゆりかご機能)」です。つまり、ロッカー構造は、<身体を前に流す>という表現が近いです。 飛ばす方(反発性)は流す方(ロッカー構造)より、「ペースが上がりやすい」、「中級者上級者(サブ4~3)に向いている」と言えるでしょう。一方、ロッカー構造は、「ほどよくペースが上がる」、「初心者・脱初心者(完走~サブ4.5)に向いている」と言えるでしょう。上げすぎないペースアップが魅力です。 ↓バネのように身体を前に飛ばすのが反発性(代表素材BOOST) ↓身体を前に押し流すのがロッカー構造(代表シューズ:HOKA ONE ONE) ↓反発性などシューズの機能について書いた記事もございます この30kmの壁を迎え、自分の足が動かなくなった時に、前に進めるよう助けてくれる大変有能な機能が《ロッカー構造》です!30kmの壁でなくもっと短い距離だとしても、足が動かなくなった時ならいつでもその良さを実感していただけると思います! 足が元気・体が元気な時は、自分の走力やパフォーマンスで何とかしてしまうので、シューズの機能の有り難みを感じないものです。シューズの機能は、体が疲れた時にこそ実感し発揮することが多いのです。 そして、この《ロッカー構造》は、「疲れた時にあってよかった機能」として、ランナーの間では非常に高い評価を得ています。 ↓30kmを超えると突如として足や身体にトラブルが ↓履いていてとても楽しいシューズです! そうです!! 《ロッカー構造》は素晴らしい機能です!! 常に身体を前に進めてくれる最高のサポート機能でしょう!! はい、冒頭にも述べた通りですが、 完璧なシューズなんてものはありません。 残念ながら、必ず欠点(弱点)は存在します。 そちらを今から説明していきます。 きちんとメリット・デメリットを知って使いこなしていきましょう!! 《ロッカー構造》のシューズは、勝手に身体を前に進めてくれます! 言い換えると、身体を常に前に押し流します!! これは、裏を返すと、『本当にゆっくり走りたい』、『極力ペースを抑えて走りたい』という方には不要な機能と言えます。 更に言うと、『自分のペース感覚を大事に走りたい』という方には、勝手に進められると自分のペース感覚をつかみづらくなるのでむしろ邪魔なのです。 いえ!そんなつもりはありません!!笑 機能には必ず「メリット」と「デメリット」が存在します。どんなに良い機能・どんなに良いシューズだとしても、すべてにおいて完璧なんてものは存在しません!そして、様々な事情(主には売れるようにする事情)の為、デメリットが伝わることはほとんどないのです。 では、あまり知られることのない《ロッカー構造》の弱点をお伝えしていきます! また、ランナーではありませんが、「ペースが比較的ゆっくりなウォーキングをされる方」も、勝手に進むことでペースが上がってしまい、オーバーストライド(歩幅が広すぎること)が起きて、関節や筋肉への負担が増えることがあります。(「速いペースでウォーキングされる方」は、あまり問題ないとは思います) 結論として、「本当にゆっくり進みたいという方」には、ロッカー構造のシューズではなく、ロッカーがなく、しっかり着地時に安定させてくれるシューズが良いでしょう。 ↓ゆっくり走りたい方にはロッカーは不要。 ↓ゆっくりの方には着地を安定させてくれる靴が良い そうすると、人によっては、シューズに流されるままペースが上がりすぎる『オーバーペース』になります。「《ロッカー構造》のシューズを履いて、思っていた以上にペースが出た」という声が多いですが、これは楽にペースが上がったということでもありますが、ペース感覚がないままペースが上がったとも言えます。 そして、この上がったペースを今度は抑えようとするので、ペースが下がります。このあと、ほとんどの場合、《ロッカー構造》のサポート機能により、再び自然とペースが上がります。このようにペースコントロールができなくなると、筋肉負担が増したり、呼吸が乱れやすくなります。 《ロッカー構造》のシューズを使用する際は、ペース感覚に気をつけましょう! ↓ロッカー構造はペースコントロールが見えにくくなる そうなんです!! まさに、【良さ】でもあり、【弱点】でもあります!! 「自然と進むから、ついついそのままペースを上げて走ってしまった」 「楽に走れるからいつもよりたくさん走ってしまった」 こういったコメントは《ロッカー構造》のシューズに非常に多く、機能の有効性を表現している素晴らしいお声だと思います!《ロッカー構造》は素晴らしい機能だと証明していると思います。ただ、自分の実力以上で走ってしまっている可能性もあります。(オーバーペース、オーバーディスタンスなど) では、どうしていけばいいのでしょうか?? タイトルのとおりですが、 《ロッカー構造》のシューズをその他のシューズと使い分けして欲しいです!! その通りです!! 《ロッカー構造》のシューズは、それでしか出せない【良さ】がありますが、《ロッカー構造》のシューズ以外でしか出せない良さもあります!!それをしっかり認識し使い分けていただきたいです!! では、《ロッカー構造》を使うと良いタイミングの一例を紹介します!! ・練習で負担をかけすぎずに楽にペースを上げたい(ペース管理に注意) ・フルマラソンレース後半でもしっかりペースを維持したい ⇒《ロッカー構造》のシューズの良さを活かせる!! ※あくまで一例です ※《ロッカー構造》以外のシューズの使い分けを知りたいかたは、販売のプロによる『失敗しないランニングシューズの選び方<入門編>』のPART3を読んでみてください! はしりびとが履いて走って、しっかり《ロッカー構造》を実感できた代表商品を紹介します!!(《ロッカー構造》を謳っていても、そうなっていないものも多い) ②HOKA ONE ONE/CLIFTON7 ③HOKA ONE ONE/RINCON2 ④ASICS/NOVABLAST ⑤ASICS/GLIDERIDE ⑥ASICS/EVORIDE ⑦HOKA ONE ONE/CARBON X ※『CARBON X』はカーボンプレートの反発が強いもののしっかりロッカーもあります 次に、総合チャート表で紹介をさせていただきます! ※下記のPDFファイルをダウンロードしてもらえれば、全体で綺麗に見られます! ↓ 以上で、『勝手に進む・楽に走れる<ロッカー構造>に関して思うこと』は終了です! ちなみに、今回の《ロッカー構造》に限らず、すべての機能にはメリット・デメリットが存在します!!それぞれを理解し、使い分けをして自分に合った商品を選んでいきましょう!当BLOGでも記事にしてご紹介していきますね!! それでは、長く・楽しく・怪我なくランニングライフを送っていきましょう!! はしりびとはブログランキングに参加しています! いい記事だなと思ったマニアの方は、応援の意味で下記をクリックお願いします! ランニングが大好きで、大手スポーツ店のランニングコーナーで働いて10年『はしりびと』です。多くの商品を使用体感し、全国の店員へのランニング知識の指導、ランニング新製品のアナライザー(製品特徴を分析する仕事)などをしております。ランナーとしても、サブ3、サブ9を達成。夢は【楽しく健康にランニングをお手伝いすること】です。
1.《ロッカー構造》の良いところはいっぱい!!
2.《ロッカー構造》の弱点とは・・・
3.やはり【使いわけ】をすることが大事!!
4.代表商品紹介と総合チャート表の公開
5.最後に