こんにちは。
はしりびとです。
【失敗しないランニングシューズの選び方<実践編>】PART5:
『ナチュラルの主要モデル比較を知る』
を語らせていただきます!
このテーマは、全7PARTで語らせていただきます!
概要は↓の記事を読んでみてください。
1.はじめに
今回のテーマ【実践編】の冒頭にて、<クッショニング>、<トレーニング>、<レーシングトレーニング>、<レーシング>、<ナチュラル>、<ベアフット>、<厚底カーボン>の7つのカテゴリーの主要モデルを紹介しました。当然紹介をした分で全モデルではありませんが、その主要モデルを理解できれば十分違いを理解できるようになります!
前回は、『レーシングカテゴリー』の代表商品の比較分類をさせていただきました。
今回は、その7つのカテゴリーの中の1つ『ナチュラル編』です!従来のシューズとは異なる「+αの効果」を生み出せるナチュラルカテゴリーの代表商品の比較分類をします!
大会に出る【初心者ランナー~上級者ランナー】、大会に出ない【ヘルス系ランナー、トレーニング系ランナー、ファンランナー】まで、全ての方が選べるカテゴリーとなります!是非、皆様覚えてもらえればと思います!
それでは早速、4大機能による比較分類を行い、商品単品の違いを見ていきましょう!!
【機能編】のPART1で説明した『シューズ構成部の名称』、PART2で説明した『9大機能』を用いますので、読み返してからのほうが分かりやすいです!
2.『ナチュラル』主要モデルの比較一覧表
先に、ナチュラルカテゴリー主要モデルの4大機能による比較一覧表を発表します!!
ナチュラルカテゴリー主要モデルの比較一覧表
主要モデル | ミッドソール | クッション | 反発 | 安定 | 軽量 |
ASICS / GLIDERIDE |
FLYTEFOAM | ★★★☆☆
3 |
★★★☆☆
3 |
★★★☆☆
3 |
★★★★☆
4 |
GEL
(踵に少し) |
★★★★★
5 |
★★★☆☆
3 |
★★★★★
5 |
★★☆☆☆
2 |
|
ASICS / EVORIDE | FLYTEFOAM | ★★★☆☆
3 |
★★★☆☆
3 |
★★★☆☆
3 |
★★★★☆
4 |
NB / FRESHFOAM TEMPO | FRESHFOAM | ★★★☆☆
3 |
★★★☆☆
3 |
★★★★☆
4 |
★★★★☆
4 |
HOKA ONE ONE / CLIFTON7 | MAXIMUM
CUSHION |
★★★★★ 5
|
★★★☆☆ 3
|
★☆☆☆☆ 1
|
★★★★★ 5
|
HOKA ONE ONE / BONDI6 | MAXIMUM
CUSHION |
★★★★★
5 |
★★★☆☆
3 |
★☆☆☆☆
1 |
★★★★★
5 |
主要モデル | ミッドソール | クッション | 反発 | 安定 | 軽量 |
※HOKA ONE ONEは、MIZUNO同様にミッドソール構造で機能を高めているので、ミッドソール素材の名称的なものは謳っていません。
2.主要モデルの商品単品の違い
では、この5つのモデルを紐解いていこうと思います!!
以下は、下記記事を読まれてから読み進めることをおすすめします!
抑えていて欲しいポイントは下記です。
【理想的なランニングフォーム】:「前足部・足裏全体着地」と「身体の真下で着地する」
【シューズのドロップの考え方】:「高ドロップ・低ドロップの違い」と「低ドロップがナチュラルシューズの特徴」
【ナチュラルのメリット】:「守る機能がありながら、+アルファの効果を生み出せる」
それでは、始めます!!
・HOKA ONE ONEの代名詞とも言える”マシュマロクッション”の特徴は、厚底軽量です。つまり、類を見ないクッション性と見た目にそぐわない軽量性が最大の特徴です。おそらく現存のランニングシューズで、ここまでのクッション性に軽量性を兼ね備えたシューズは存在しないと思います。 ・「HOKA ONE ONEは安定感が高い」とは今のところ言えませんが、安定性を出すための機能は作っています。ここまでクッション性があることを考えると安定性が下がることは仕方ありません。ですが、ミッドソールの左右を高くし、中心部を低くする『バゲット型構造』でカバーする努力をしています。それでもまだまだ弱いのは否めないですが、全く安定性がないわけではありません。 ②『勝手に足が進む・楽に進む』のもHOKA ONE ONEの特徴 ・マシュマロクッションは、素材自体それほどの反発性はありません。ですが、HOKA ONE ONEの特徴の1つである『メタロッカーテクノロジー』というミッドソール構造が、推進力を生み、反発性のなさをカバーするように出来ています。 ・メタロッカーテクノロジーは、ミッドソールの前側と踵側を反り返えらせた「ゆりかご」のような形状を言います。踵の反り返りは、着地した瞬間に一気に前に体重を移動させます。その勢いを止めることなく爪先まで移動させ、最後は反り返らせた爪先で抜ける、この移動速度が非常に早いのが『メタロッカーテクノロジー』の特徴です。 ③『BONDI6』は足を守ることに最大特化した『完走向け』シューズ。4mmドロップでフォームも改善。 ・『BONDI6』の最大の特徴は、HOKA ONE ONE史上屈指の厚底クッションです。少し重量は増えますが(それでも十分軽いですが)、とにかく衝撃から足を守るという点においては最高の1足と言えるでしょう。 ・『BONDI6』は、<勝手に足が進む・楽に進む>を促す『メタロッカーテクノロジー』が少し緩めの角度設計になっています。とにかく足を守ることを優先しているからです。ゆっくり長く走りたい方にとって、あまり重心移動を速めすぎると、スピードが出ることもあり、足を守りにくくなってしまいます。 ・『BONDI6』は、4mmドロップの低ドロップシューズです。極厚クッションで足をしっかりと守りながらも、人間本来の走り方『足裏全体着地(ミッドフット着地)』や『前足部着地(フォアフット着地)』で走ることを促すようになっています。また、他の4モデルと比較しても、ドロップ数が非常に低いモデルです。極厚のマシュマロクッションと合わせて、履き心地に慣れるまで違和感がありますが、確実に守りながら効率的なフォームを身につけたい方には最適でしょう。 ・『とにかく足を守るシューズが欲しい方』、『スピードは求めず、足をとことん守りながら、フォームや姿勢を整えていきたい方』にはおすすめです。 ↓ボンダイ6の厚みは約5cm ・HOKA ONE ONEの代名詞とも言える”マシュマロクッション”の特徴は、厚底軽量です。つまり、類を見ないクッション性と見た目にそぐわない軽量性が最大の特徴です。おそらく現存のランニングシューズで、ここまでのクッション性に軽量性を兼ね備えたシューズは存在しないと思います。 ・「HOKA ONE ONEは安定感が高い」とは今のところ言えませんが、安定性を出すための機能は作っています。ここまでクッション性があることを考えると安定性が下がることは仕方ありません。ですが、ミッドソールの左右を高くし、中心部を低くする『バゲット型構造』でカバーする努力をしています。それでもまだまだ弱いのは否めないですが、全く安定性がないわけではありません。 ②『勝手に足が進む・楽に進む』のもHOKA ONE ONEの特徴 (BONDIと同上) ・マシュマロクッションは、素材自体それほどの反発性はありません。ですが、HOKA ONE ONEの特徴の1つである『メタロッカーテクノロジー』というミッドソール構造が、推進力を生み、反発性のなさをカバーするように出来ています。 ・メタロッカーテクノロジーは、ミッドソールの前側と踵側を反り返えらせた「ゆりかご」のような形状を言います。踵の反り返りは、着地した瞬間に一気に前に体重を移動させます。その勢いを止めることなく爪先まで移動させ、最後は反り返らせた爪先で抜ける、この移動速度が非常に早いのが『メタロッカーテクノロジー』の特徴です。 ③『CLIFON7』は、”足を守る”と”自然なスピード感”を両立した『完走~サブ4.5向け』の幅広いレベルの方が使えるシューズ。5mmドロップでフォームも改善。 ・『CLIFTON7』は、HOKA ONE ONEを代表するモデルです。圧倒的な軽量クッションでありがながら、メタロッカーテクノロジーによる自然なスピード感を出せるのも特徴です。HOKA ONE ONEの特徴がバランスよく入ったシューズと言えます。『BONDI6』がとにかく足を守ることを優先しているのに対して、『CLIFTON7』は、”守る”と”パフォーマンス”を両立させたハイブリッドシューズと言えるでしょう。 ・『CLIFTON7』は、さまざまなレベルのランナー(完走~サブ4.5)にも対応できます。BONDI6よりクッション性が落ちるとは言え、他社の比較にならない圧倒的な厚底クッションがこれから走るランナーの足を守ってくれます。また、しっかり角度のついた『メタロッカーテクノロジー』はスピードを求める方にスピード感を提供できます。 ・『CLIFTON7』は、5mmドロップの低ドロップシューズです。マシュマロクッションで足をしっかりと守りながらも、人間本来の走り方『足裏全体着地(ミッドフット着地)』や『前足部着地(フォアフット着地)』で走ることを促すようになっています。また、他のナチュラル系と比較してもドロップ数が低い方に入るモデルです。マシュマロクッションの履き心地に慣れるまで違和感がありますが、守りながら効率的なフォームを身につけたい方には最適でしょう。 ・『足をしっかり守りながらもペースを上げられるシューズが欲しい方』、『フォームや姿勢を整えていきたい方』にはおすすめです。 ↓ロッカー構造もHOKAの代名詞 ・ミッドソールは上下2層構造になっています。上層には、軽量でクッション性に軟らかさのある【FLYTEFOAM】を使用。下層には、【FLYTEFOAM】と比べてクッション性は落ちますが、反発性が高まっている【FLYTEFOAM PROPEL】を使用しています。両方共FLYTEFOAMなので、自然な履き心地で、癖がなく、万人に合いやすい素材です。更に、2層にすることで、『クッションの心地よさ』と『楽に進む乗り心地』を両立しています。 ・踵部には、少量ですが、【GEL】を使用しています。少し重量は増すものの、これから走るといった方でもしっかりと守れる構造になっているのが特徴です。 ②見た目からは想像できないスピード感を感じられる【完走~サブ4.5向け】の幅広いレベルの方が使えるシューズ。5mmドロップでフォームも改善。 ・過去に何度か説明したとおり、ASICSなどの日本メーカーの特徴である安定感は、『GLIDERIDE』でも健在です。日本人の足の踵をしっかりホールドする【ヒールカウンター】、細部までフィットする【ラスト】は、このナチュラルカテゴリーでも強みを発揮します。HOKA ONE ONEで説明した厚底の弱点をしっかり補正できる仕様です。 ・①に書いたとおり、【FLYTEFOAM PROPEL】がスピード感を促してくれる設計ですが、『GLIDERIDE』もHOKA ONE ONEと同様に、ロッカー構造を採用し、スピード出しやすい設計を施しています。ただし、HOKA ONE ONEとの違いとして、爪先の反り返り角度がより反っているのが『GLIDERIDE』の特徴です。また、クッションの硬度も少し硬めなので、蹴り出す感覚もしっかりあります。つまり、HOKA ONE ONEよりややスピード感を出しやすいのが『GLIDERIDE』と言えるでしょう。 ・『GLIDERIDE』は、5mmドロップの低ドロップシューズです。2層の『FLYTEFOAM』ミッドソールと『GEL』で足をしっかりと守りながらも、人間本来の走り方『足裏全体着地(ミッドフット着地)』や『前足部着地(フォアフット着地)』で走ることを促すようになっています。また、他のナチュラル系と比較してもドロップ数が低い方に入るモデルです。独特の履き心地に慣れるまで違和感がありますが、HOKA ONE ONE同様に守りながら効率的なフォームを身につけたい方には最適でしょう。 ・『足をしっかり守りながらもペースを上げられるシューズが欲しい方』、『フォームや姿勢を整えていきたい方』、『フィット感や安定感も求める方』にはおすすめです。 ↓ミッドソールは2層構造+GEL配置 ・『GLIDERIDE』とは異なり、ミッドソールは1層構造になっています。使用しているのは、【FLYTEFOAM】と比べてクッション性は落ちますが、反発性がより高まっている【FLYTEFOAM PROPEL】です。 ・『EVORIDE』は守る性能を少し落としつつも、軽量性やスピードの出し安さを追求した仕様です。今までの3つ(『BONDI6』、『CLIFTON7』、『GLIDERIDE』)と比べて、クッション性は落ちると思います。ですが、その分、<より自然な履き心地・足裏感覚>で、<より自然に流れるようなスピード感・乗り心地>を体感できると思います。 ②流れるようなスピード感を感じられる【サブ5~サブ3.5向け】の幅広いレベルの方が使えるシューズ。5mmドロップでフォームも改善。 ・『GLIDERIDE』の説明でもお伝えしたとおり、ASICSなどの日本メーカーの特徴である安定感は、『EVORIDE』でも健在です。日本人の足の踵をしっかりホールドする【ヒールカウンター】、細部までフィットする【ラスト】は、このナチュラルカテゴリーでも強みを発揮します。 ・『EVORIDE』もこれまでのモデル同様に、ロッカー構造を採用しています。そして、爪先の反り返り角度はGLIDERIDEと同様にかなり反っています。『FLYTEFOAM PROPEL』素材と合わせて、スピード出しやすい設計になっています。 ・また、『EVORIDE』はクッション性の柔らかい素材を使用していない分、自分の足でスピード感を出していくことも可能です。 ・『EVORIDE』は、5mmドロップの低ドロップシューズです。人間本来の走り方『足裏全体着地(ミッドフット着地)』や『前足部着地(フォアフット着地)』で走ることを促すようになっています。 ・『足をある程度守りながらも、しっかりペースを上げられるシューズが欲しい方』、『フォームや姿勢を整えていきたい方』、『スピードも求めて走りたい方』にはおすすめです。 ↓EVORIDEの反り返りによる乗り心地は抜群 ・軽量・安定が特徴の【FRESHFOAM】というミッドソール素材を使用しています。安定感が高い分、これまでの素材よりもやや硬さを感じますが、着地時のブレをしっかり防ぐことが可能です。 ・ナチュラルシューズは、本来あるべき<走り方>や<足の機能>を見つめなすことが目的です。素材そのものに大きな特徴(やわらかすぎる・反発しすぎるなど)があると、却って素材が助けすぎてしまい、<走り方>や<足の機能>を発揮しにくくなります。その為、ナチュラルシューズは平均的な素材を採用していることが多いのです。その中でも、【FRESHFOAM】はやわらかすぎず・反発しすぎず・安定しやすいと最も相性がいいと言えるでしょう。 ②スピード感と足裏感覚の両方を感じられる【サブ4.5~サブ3.5向け】の脱初心者~中級者向けナチュラルシューズ。8mmドロップも取り入れやすい設定。 ・『FRESHFOAM TEMPO』はこれまでの4つのモデルと違い、地面の感覚がしっかり伝わるのがポイントです。地面の感覚が伝わる分、硬さを感じやすいものの、自分の足でスピート感を出せるというメリットがあります。但し、これから走るという方には少しクッション性に不安を感じることもあります。 ・『FRESHFOAM TEMPO』もこれまでのモデル同様に、ロッカー構造を採用しています。そして、爪先の反り返り角度は『GLIDERIDE』や『EVORIDE』と同様にかなり反っています。また、これまでの4モデルと比べて、一番クッション性はありませんが【硬度(硬さ)】があります。沈み込みが少ない分、一番重心移動は速いと言えます。 ・『FRESHFOAM TEMPO』は、8mmドロップの低ドロップシューズです。これまでのモデルと比べてドロップがあるのでフォーム改善力は少し弱くなりますが、誰でもすぐに取り入れやすいドロップの高さと言えます。また、地面の感覚が伝わるようになっているので、【自分の身体を使うようにする】、【足を育てる】という点は『FRESHFOAM TEMPO』のメリットです。 ・『ナチュラルシューズでペースを上げられるシューズが欲しい方』、『ペースを上げた練習でもフォームや姿勢を整えていきたい方』、『スピードも求めて走りたい方』にはおすすめです。 ↓FRESHFOAMのハニカム構造が安定性の秘密 言葉だけになってしまいましたので、わかりやすく【主要5モデルの相関図】を下記に記載させて頂きます!! 是非、一度このイメージを膨らませてから、実際にお店で試履きをしてみてください!! 以上が、ナチュラル代表商品5選の比較分類です!! これまで何度も伝えてきたとおりですが、 それぞれの商品には得意不得意・強み弱みが必ず存在します。「どれが良くて、どれが悪い」という発想ではなく、「どれが自分の目的に合っているか」、「自分はどのカテゴリーから選びたいか」を自分自身で判断することが重要です。それが自分に合ったシューズを選ぶための必須条件です。(『入門編』で伝えてきた内容です) その上で、前回の『機能編』、今回の『実践編』で学んだ商品単品の知識を活かして頂ければと思います!そうすることで、 【ランニングシューズ戦国時代にどんどん出てくるNEWMODELを理解し、自分の求めるものかを判断できるようになると思います! そして、信頼できる店員さんとも相談し、自分にあったものを自分自身で決断できるようにしていきまそう! 大丈夫です!!要領を覚えれば非常に簡単です!! まずは、今回のナチュラル編で紹介した商品で試してみてください!! それでは、PART6:『ベアフットカテゴリーの主要モデル比較を知る』に続きます! ↓ それでは、各記事をご参考頂き、怪我なく楽しくランニングライフを楽しみましょう!! はしりびとはブログランキングに参加しています! いい記事だなと思ったマニアの方は、応援の意味で下記をクリックお願いします! ランニングが大好きで、大手スポーツ店のランニングコーナーで働いて10年『はしりびと』です。多くの商品を使用体感し、全国の店員へのランニング知識の指導、ランニング新製品のアナライザー(製品特徴を分析する仕事)などをしております。ランナーとしても、サブ3、サブ9を達成。夢は【楽しく健康にランニングをお手伝いすること】です。3.主要モデルの相関図
4.まとめ