こんにちは。
はしりびとです。
【失敗しないランニングシューズの選び方<実践編>】PART3:
『レーシングトレーニングの主要モデル比較を知る』その②
を語らせていただきます!
このテーマは、全7PARTで語らせていただきます!
概要は↓の記事を読んでみてください。
1.はじめに
今回のテーマ【実践編】の冒頭にて、<クッショニング>、<トレーニング>、<レーシングトレーニング>、<レーシング>、<ナチュラル>、<ベアフット>、<厚底カーボン>の7つのカテゴリーの主要モデルを紹介しました。当然紹介をした分で全モデルではありませんが、その主要モデルを理解できれば十分違いを理解できるようになります!
前回は、『レーシングトレーニング①:サブ4向け』の代表商品の比較分類をさせていただきました。
今回は、前回に続き、その7つのカテゴリーの中の1つ『レーシングトレーニングカテゴリー編の②サブ3.5向け』です!レーシングトレーニングカテゴリーのサブ3.5向けの代表商品の比較分類をします!
前回も記載しましたが、現代は【ランニングシューズ戦国時代】です。そして、その戦国時代を代表するカテゴリーが『レーシングトレーニングカテゴリー』と言えます。その為、必然的に代表モデルが豊富になり、より細かい区切りをもった商品が増えてきます。
ですので、PART3のこのカテゴリーは、
『レーシングトレーニングカテゴリー:その①』は、サブ4向け代表モデル(前回)
『レーシングトレーニングカテゴリー:その②』は、サブ3.5向け代表モデル(今回)
として、2回に分けて比較分類を実施することにしています。
それでは、今回の『レーシングトレーニングカテゴリー:その②』を始めます。
大会に出る【中級者ランナー~上級者ランナー】、【脱初心者ランナー】のスピード用シューズとして選択する可能性があるカテゴリーです!それ以外のランナー様も知っていて得する情報が入っていますので、是非皆様覚えてもらえればと思います!
それでは早速、4大機能による比較分類を行い、商品単品の違いを見ていきましょう!!
【機能編】のPART1で説明した『シューズ構成部の名称』、PART2で説明した『9大機能』を用いますので、読み返してからのほうが分かりやすいです!
2.『レーシングトレーニング:②サブ3.5向け』の主要モデルの比較一覧表
先に、『レーシングトレーニングカテゴリー:②サブ3.5向け』の主要モデルの4大機能による比較一覧表を発表します!!
レーシングトレーニングカテゴリー:サブ3.5向け主要モデルの比較一覧表
主要モデル | ミッドソール | クッション | 反発 | 安定 | 軽量 |
ASICS / LYTERACER2 | FLYTEFOAM | ★★★☆☆
3 |
★★★☆☆
3 |
★★★☆☆
3 |
★★★★☆
4 |
MIZUNO / DUEL SONIC
|
DUEL PLATE | ☆☆☆☆☆
0 |
★★★★★
5 |
★★★★★
5 |
★★★★★
5 |
NIKE / ZOOM RIVALFLY2
|
AIR ZOOM | ★★★★☆
4 |
★★★★☆
4 |
★★☆☆☆
2 |
★★★☆☆
3 |
NB / FUELCELL REBEL | FUELCELL | ★★★☆☆
3 |
★★★★☆ 4 ※5に近い |
★★★☆☆
3 |
★★★★☆ 4
|
主要モデル | ミッドソール | クッション | 反発 | 安定 | 軽量 |
2.主要モデルの商品単品の違い
では、この4つのモデルを紐解いていこうと思います!!
・『ZOOM RIVALFLY2』は、前々回のトレーニング編で紹介した『ZOOM PEGASUS37』でも使用している【ZOOM AIR】素材を使用しています。『ZOOM AIR』は安定性はないものの、クッション性と反発性に長けているのが特徴です。 ・今回の『ZOOM RIVALFLY2』は、このZOOM AIRをシューズの前側(前足部)にのみ配置して、土踏まずから後ろ側は軽量で反発のある素材を使用しています。【ZOOM AIR】はどうしても重量が出てしまうので、今モデルではミッドソール全体には使用していません。サブ3.5レベルで走るランナーの<蹴り出し>や<足抜け>のみを【ZOOM AIR】でしっかりサポートし、他全体は軽量に抑える仕組みです。 ・全体感としては、他の4モデルと比べて一番クッション性を感じられます。サブ4編で紹介した『MIZUNO/WAVE AERO18』、『ADIDAS/ADIZERO JAPAN5』と同レベルの靴と言ってもいいでしょう。 ②安定性を削ってでも、軽量性と反発性を高めた『攻めるタイプ』のサブ3.5シューズ ・軽量でスピードを出しやすくすることが重要視されているため、<ヒールカウンター>も<踵部のミッドソール素材>も軽量化しています。それゆえに、踵で着地した際の安定感は低いモデルでしょう。 ・但し、このクラスのランナーは、踵のみで着地せず、踵も含んだ足裏全体で着地する傾向があります。そうする方が、スピードが出せるからです。その場合、踵をがっちり固めるような保護はそれほど必要なくなります。更に、その保護をなくすと軽量化も実現できます。それもあって、踵部の安定性を削っているとも言えます。(また、足裏全体で着地すると安定しやすいということもあり、あえて靴の性能として安定機能を削っていると言えるでしょう。) ・この安定性のなさが、『MIZUNO/WAVE AERO18』や『ADIDAS/ADIZERO JAPAN5』との違いと言えるでしょう。パフォーマンスを上げるために<攻める>に重きがあるのが、『ZOOM RIVALFLY2』と言えるでしょう。(『MIZUNO/WAVE AERO18』や『ADIDAS/ADIZERO JAPAN5』は、踵着地時した際のサポート(保険)がしっかりあります) ・『サブ3.5を目指すためにしっかりスピードを出せる靴が欲しい方』、『安定性がなくなってでも、前に進めてくれるクッション反発サポートが欲しい方』、『とにかく結果にこだわりたい方』におすすめです。 ↓前足部のみのZOOM AIR ・過去にも説明した軽量性と自然な履き心地を有する【FLYTEFOAM】をメインで使用。癖がなく、自然に足を守り(クッション性と安定性)、自然にスピード感(反発性)を生み出しやすくできます。万人に合いやすい素材なのです。 ・今回の『LYTERACER2』で使用している【FLYTEFOAM】は、少し反発性を高めるように改良した『FLYTEFOAM PROPEL』を使用しています。この素材は【FLYTEFOAM】と比べてクッション性は落ちますが、反発性は上がります(4くらいのイメージ)。<守る>よりも<攻める>タイプの素材と言えるでしょう。 ②地面の感覚がしっかり伝わる『攻めのASICS』のサブ3.5シューズ ・サブ3.5シューズとして、ミッドソールの厚みを削っているので当然クッション性は高いとは言えません。ですが、その分地面の感覚がしっかりわかるように設計されているので、自分自身の足でスピードを高めることが可能です。 ・その上で、軽量反発の【FLYTEFOAM PROPEL】を使用しているので、<自分の脚力>と<靴の反発>の両方が活かせるモデルでしょう。いつもは守るタイプの進化が大きかったASICSですが、この『LYTERACER2』は結果を出したいサブ3.5ランナーに向けてアシックスが本気で攻めたシューズと言えます。 ・一方で、日本メーカーの強み<ヒールカウンターによる踵の安定感>と<シャンクによる身体の捻れを防ぐ安定感>は健在です。クッション性は低く、少し硬く感じますが、安定感は4モデルで一番高いでしょう。 ・『サブ3.5を目指すためにしっかりスピードを出せる靴が欲しい方』、『前に進めてくれる反発サポートはしっかり欲しいが、怪我のリスクも回避したい方』、『とにかく結果にこだわりたい方』 ↓FLYTEFOAM PROPELは反発性がます ・過去に説明した通り、10個の主要なミッドソール素材の中でも、反発性と軽量性に特化したのが『FUELCELL』の特徴です。反発性はBOOSTに近い『5』の評価があってもいい素材です。履き心地は少し硬く感じますが、軽く体重を乗せると素材がしなり、強い反発の感覚を感じられます。反面、素材そのものに大きな衝撃吸収性(クッション性)は感じにくいタイプです。 ・『FUELCELL REBEL』は今までのNBの2モデル(『PROPEL』や『PRISM』)のように厚底にはしておりません。要は、クッション性は高めず、高反発と軽量にとにかく特化したモデルと言えるのです。また、ミッドソールが厚くないこともあり、自分の足の感覚でもスピードを高めることが可能です。 ・これも過去モデルと同様ですが、足抜けを良くするために【つま先の反り返り】をつけています。特に、今回の形状はその傾斜が最もきついと言えるでしょう。つまり、スピードを出すために特化させたと言えます。(サブ3も十分に狙えるモデルです) ・また、<独特なアウトソールパターン>は、足が着いてから離れるまでの一連の足の流れをスムーズにし、重心移動時に足や身体がぶれにくいようにしてくれます。とにかく、結果に拘りまくる設計をしています。 ②素足感覚を追求したアッパーがよりスピード感を高める ・<まるで履いてないかのような自然なフィット感>を持っているのが、この『FUELCELL REBEL」です。アッパーはニットアッパーを採用しており、他社のニットアッパーよりも伸縮性が高く、足に吸い付くようにフィットします。 ・しっかりフィットさせることで、<靴を軽く感じる>、<蹴り出し時に、地面に伝える力を正確にできる>ことが可能です。すべてはスピードを出すための性能と言えます。 ・『サブ3.5を目指し、とにかく結果にこだわりたい方』、『カーボンやプレート以外で、最も前に進めてくれる反発サポートが欲しい方』にはおすすめです。 ↓速く走るために特化した独特のアウトソール形状 ・『WAVE AERO18』でも紹介した、”カーボンプレート”に似たMIZUNO独自の超高反発プレート『DUEL PLATE』を使用しています。非常に硬い樹脂プレートでできており、着地時に安定感を生み、離陸時にはプレートが軽くしなり、身体を前に飛ばす様に次の一歩をすごい力で押し出すようにしてくれます。(『BOOST』や『ZOOM X』や『FUELCELL』よりも反発性は圧倒的に高い・評価で言うと6~7ぐらいのレベル) ・但し、このプレートはデメリットが2つあります。まず、クッション性が落ちること(クッション材の間に入れるのでミッドソールが硬くなる)、次に離陸時にかかる負担が大きいこと(高反発を効かせる際にふくらはぎへの負担が出る)の2つです。使いこなせるようになるには、『一定時間がかかる』、『一定以上の脚力(中級者以上)』が必要です。 ・『DUEL SONIC』では、高反発プレートを<前足部から土踏まず一部>に配置しています。先にも説明したとおりこのレベルになると、踵のみで着地せず、踵も含んだ足裏全体で着地する傾向があります。必要最低限の配置にすることで、ミッドソールの硬さを抑えクッション感を上げる仕組みです。(サブ3も十分に狙えるモデルです) ②ブーティ構造がフィット感を自然に、安定性を高めてくれる ・『DUEL SONIC』は、シュータンがアッパーと一体化した<ブーティ構造>を採用しています。そうすることで、足を包み込むように甲や踵部を自然にフィットさせることができます。 ・しっかりフィットさせることで、<靴を軽く感じる>、<蹴り出し時に、地面に伝える力を正確にできる>ことが可能です。自然なフィット感は、安定性とスピードも上げてくれます。 ・また、日本メーカーの強み<ヒールカウンターによる踵の安定感>と<シャンクによる身体の捻れを防ぐ安定感>は健在です。全体的にクッション性は低く、硬く感じますが、安定感は高いでしょう。 『サブ3.5を目指し、とにかく結果にこだわりたい方』、『強力に前に進めてくれる反発サポートが欲しい方(但し慣れる時間必要)』、にはおすすめです。 ↓DUELプレートによる超高反発(赤枠部に内蔵) 言葉だけになってしまいましたので、わかりやすく【主要4モデルの相関図】を下記に記載させて頂きます!! また、よりわかりやすくするために、前回【レーシングトレーニング編:①サブ4向け】で紹介したモデルの中で、サブ3.5に近いシューズ『NIKE/ZOOM PEGASUS TURBO2』、『ADIDAS/ADIZERO JAPAN5』、『MIZUNO/WAVE AERO18』の3足を含めて記載します。 是非、一度このイメージを膨らませてから、実際にお店で試履きをしてみてください!! 以上が、『レーシングトレーニングカテゴリーその②:サブ3.5向け』の代表商品4選の比較分類です!! これまで何度も伝えてきたとおりですが、 それぞれの商品には得意不得意・強み弱みが必ず存在します。「どれが良くて、どれが悪い」という発想ではなく、「どれが自分の目的に合っているか」、「自分はどのカテゴリーから選びたいか」を自分自身で判断することが重要です。それが自分に合ったシューズを選ぶための必須条件です。(『入門編』で伝えてきた内容です) その上で、前回の『機能編』、今回の『実践編』で学んだ商品単品の知識を活かして頂ければと思います!そうすることで、 【ランニングシューズ戦国時代にどんどん出てくるNEWMODELを理解し、自分の求めるものかを判断できるようになると思います! そして、信頼できる店員さんとも相談し、自分にあったものを自分自身で決断できるようにしていきまそう! 大丈夫です!!要領を覚えれば非常に簡単です!! まずは、今回のレーシングトレーニング編その②で紹介した商品で試してみてください!! それでは、PART4:『レーシングカテゴリーの主要モデル比較を知る』に続きます! ↓ それでは、各記事をご参考頂き、怪我なく楽しくランニングライフを楽しみましょう!! はしりびとはブログランキングに参加しています! いい記事だなと思ったマニアの方は、応援の意味で下記をクリックお願いします! ランニングが大好きで、大手スポーツ店のランニングコーナーで働いて10年『はしりびと』です。多くの商品を使用体感し、全国の店員へのランニング知識の指導、ランニング新製品のアナライザー(製品特徴を分析する仕事)などをしております。ランナーとしても、サブ3、サブ9を達成。夢は【楽しく健康にランニングをお手伝いすること】です。3.主要モデルの相関図
4.まとめ