こんにちは。
はしりびとです。
今回は、
【販売のプロが教えるランニングシューズの賢い選び方《入門編》】
STEP3-2:マラソンでサブ5~4.5を目指す”脱初心者ランナー”の為の『シューズの使い分け方』を知ろう!!
についてです!
このテーマは、全4STEPで語らせていただきます!
概要は↓の記事を読んでみてください。
1.はじめに(STEP3の流れ)
STEP2では、【ランニングシューズの種類(9つのカテゴリー)】について解説し、STEP1で発見した自分が属するグループがどこのカテゴリーとマッチングするかを発見できたかと思います。
※まだの方は下記を読んでチェックしていきましょう!
①自分が属するグループを知りたい方
②属するグループとカテゴリーとのマッチングを知りたい方(ページ下部の項目4をチェック)


今回のSTEP3では、
STEP2で発見したマッチングカテゴリーの中から、自分に合ったシューズを更に絞り込んでいく方法、そして【その使い分け方】をお伝えしていきます!
ある意味これが一番重要です!
ランナーグループ別に、細か~~~~~く紹介していきます!
STEP3の2回目は、
『②脱初心者ランナー(サブ5~4.5を目指すランナー)』編
です!
※PART1で触れた【ランニング経験】がポイントになりますので思い出しておいてくださいね!
それでは、早速説明をしていきます!
2.脱初心者ランナーの特徴とマッチング
まずは、STEP1とSTEP2の復習となります!
脱初心者ランナーの『カテゴリー特徴』と、脱初心者ランナーが『マッチしやすいシューズ一覧』をまとめて記載してみます!
・マラソン大会に出る
・フルマラソンで、<5時間/4時間30分>を切りたい
・ハーフマラソンで、<2時間>を切りたい
・10kmマラソンで、<1時間~50分>を切りたい
脱初心者ランナーがマッチしやすいシューズ
・クッショニング(距離のある練習用)
→分厚いクッションでランナーの足を守る(クッション性が高い)
→着地時に身体をぶれないようにする機能が入っている(安定生が高い)
→少し重たくはなるが、機能を豊富にし怪我の防止を目指す
・トレーニング(練習用・本番用)
・クッショニングよりもクッション性はやや劣る(それでもクッション性は高い)
・反面、軽さはクッショニングシューズより向上している(軽量性アップ)
・怪我の防止はもちろん、パフォーマンス向上も意図されている
・レーシングトレーニング(スピード練習用)
・クッション性は低いが、軽量になっている(軽量性アップ)
・スピードを出しやすいような機能が豊富(グリップ性や反発性)
・怪我の防止よりも、パフォーマンス向上の意図が大きくなっている
・ナチュラル(練習用・本番用) ※モデルにより異なる
→人間本来の走り方(着地方法と着地位置)を養うシューズ(低ドロップ)
→使うべき筋肉を使うことで、正しい姿勢や身体のラインがスッキリしやすくなる
→クッショニング並の分厚いクッションがある(クッション性)
→疲労軽減の分厚いクッションで身体を守りながら、正しいフォームで走れるようになる
・ベアフット(練習用)
→人間本来の走り方(着地方法と着地位置)を極めるためのシューズ(低ドロップ)
→超薄底で、人間本来の走る為の能力(脚力・足裏力)を徹底的に養う
→使うべき筋肉を使うことで、正しい姿勢や身体のラインがスッキリしやすくなる
→一切の機能はなく、正しいフォームと使うべき筋肉のみで走れるようにする
まずはこれをしっかりと把握しておきましょう!
3.脱初心者ランナーの為のシューズの『絞り込み』と『使い分け方
前回の『初心者ランナー編』では、3つのカテゴリーから選ぶだけでしたので比較的簡単でしたが、脱初心者以上のランナー(中級者・上級者)になると、明確な目標を達成するためにも、複数の中から選び・組み合わせるという考え方が必要になります!
そして、出来れば3足(最低でも2足)は揃えて欲しいです!
少し難しくもありますが、自分に合ったランニングシューズを選ぶためにも、是非読みすすめてください!
①1足目として持っていて欲しいシューズ
脱初心者ランナーにまず持っていて欲しいシューズは、『トレーニングカテゴリー』のランニングシューズです!
脱初心者ランナーの日々の練習での使用はもちろん、レース本番を走る際の最適なシューズカテゴリーが、『トレーニングカテゴリー』となります!
脱初心者ランナーにとって非常にマルチに使えるシューズになるので、これは必ず用意しておきましょう!

用意してくださいと言ったものの、おそらく脱初心者ランナーの方はすでに持っている方が多いと思います!
ここまでのレベルの方であれば、レース本番で履くシューズとしてすでに持っている可能性が高いですし、以前からこれを練習用として使っているという方も多いと思います!
ただ、気になる点としては、
この1足のみですべての練習,及び,本番をこなしている方が非常に多い
ということです!
「決してダメ!!」「やらないと絶対怪我する!!」とまでは言いませんが、前回の初心者ランナー編でもお伝えしたとおり、1足のみで練習すると《シューズの耐久性が落ちる》《走力アップをしにくい》《フォーム改善などの+αの練習ができない》というデメリットがあります!
ですので、最初にも書いた通り、出来れば3足(最低でも2足)を用意したほうがいいです!
次の項目で2足目以降にお勧めのシューズカテゴリーを紹介していきます!
NIKEやADIDASが採用するクッション素材は、反発力(バネ力)に優れています。着地時の安定性は高くありませんが、レース後半での推進力は記録への後押しになります。
ASICSやMIZUNOが採用するクッション素材は、安定力(ブレにくい)に優れています。楽に進む推進力は劣りますが、着地時の身体のブレを抑えてくれるので、レース後半でも疲労感を感じにくくできます。
※NIKE/エアズームペガサス
※ASICS/エボライド
フィット感や足との相性にもよりますが、どちらのタイプを選ぶかは履く方のメンタルに左右すると考えていいでしょう。また、ハーフマラソン以下の方は攻めるタイプのNIKEやADIDASを履くと記録は上がりやすいですよ!
※メーカーの比較・単品毎の比較は別記事にて紹介します!
②2足目・3足目に持っていて欲しいシューズ
2,3足目として持っていて欲しいのは、『ナチュラル』と『クッショニング』のランニングシューズを持っていて欲しいです!
※ナチュラル代表:HOKA ONE ONE/クリフトン
※クッショニング代表:ASICS/ゲルカヤノ
脱初心者ランナーが目標達成をしていく為には、
<フォーム改善>の目的でナチュラルシューズ
<長距離を走る(筋持久力アップ)>の目的でクッショニングシューズ
を使用するのが理想です!
最悪どちらか一方でも構いませんが、理想はこの3足で使い分けることです!
<マラソンで5時間を切りたい><次こそは4時間30分を切りたい>と考えている方の目標達成の妨げになっている事例として、レース後半の失速が挙げられます!レース後半の失速は様々な要因がありますが、単純な話として、後半の失速を抑える(遅らせる)ことが出来れば記録達成には近づきやすくなります!
そのレース後半の失速対策として、<フォーム改善>と<走力・脚力アップ>が重要になります!

きっとレースを走る方の多くが体験したことのあるのが30kmの壁だと思います。
『30kmを過ぎたら足が別人のものになる』
『30kmからペースが急激に落ちる』
『35kmで足が毎回痙攣する』
この壁は、非常に多くのランナーを苦しめ目標達成を妨げる壁となります!
この30kmの壁は、30kmを過ぎたランナーの前に何の前触れもなく突然現れて失速させてくるのですが、実はこの壁が起きるのは30km以前の走りに問題があるからなんです!
その問題はいくつかありますが、<5時間~4時間30分切りを目指す脱初心者ランナー>の場合は、
【疲れを招きやすい非効率的なフォーム】
【フルマラソンを走るだけの筋肉の持久力不足】
の要因が大きいです!
※他にも【ペースが上下しすぎる】【サプリなどの補給不足】などが挙げられます。
つまり、
『ナチュラルシューズ』を履いて、効率的なフォームを身につけて、レース後半のまでの無駄な疲労・負担をなくす!
『クッショニングシューズ』を履いて、長い距離(時間)の練習を増やして、レースすべてを走りきれるだけの筋肉のスタミナをつける!
この2つに、最初に紹介した1足目のシューズ『トレーニングシューズ』を合わせることで、30kmの壁対策になる効果的な練習をしやすくなります!
これが、脱初心者カテゴリーの目標達成のための必勝法です!
具体例を挙げてみます。
①通常時:『トレーニングシューズ』で10km程度
→10~12km程度を本番ペースで走る(ペース走)
→調子の良い日は少しペースを上げてもいい
②2週に1回:『クッショニングシューズ』で長距離20km
→長距離(20~30km)を走って筋持久力をつける(ロング走)
→調子が良くない日、足に不安がある日は避ける
③走る時間が長く取れない日:『ナチュラルシューズ』で5~7km程度
→30~40分程度しか時間が取れない日とかはフォームを磨く日(フォーム強化)
→ペースは気にしないで、走り方を意識する
→慣れてくれば、距離や時間を伸ばすのもいい(フォーム維持ロング走)
④筋肉疲労がある日:『クッショニングシューズ』で30分程度
→調子は良くないが走っておきたい時はゆっくりクッショニングで走る(ジョグ)
→ただし、無理をしすぎるのはNG
なんとなく使い分けのイメージ湧きましたでしょうか?
上記の例は、実際に店頭でお客様に提案して実践いただいている使い分け方法の1例です!
これをやっていただいた方の中には、
『初めてフルマラソンをスタートからゴールまで歩かずに走りきれました』
『いつもより後半の失速がありませんでした』
『フルマラソンで4時間半どころか4時間を切れた』
という方もいらっしゃいました!
※もちろん本人様の努力があってこそ!!!

『トレーニングシューズ』をベースにしながら、『クッショニング』と『ナチュラル』の使い分け練習は非常にメリットが大きいので、是非実践をしてみてください!!
4.更にレベルアップを目指すなら!!
最後に、<もっとレベルアップしたい>という方向けに、おすすめのカテゴリーを2つ紹介します!
<フォームに関してもっと極めたい>
<自分の足で走れる能力を身につけたい>
という方は、『ベアフットカテゴリー』を追加してみてください!
<心肺能力を上げたい(呼吸を楽にしたい)>
<ペースを上げたい(記録をもっと伸ばしたい)>
という方は、『レーシングトレーニングカテゴリー』を追加してみてください!

はい、大丈夫です!!
但し、『レーシングトレーニングカテゴリー』を使う際の練習方法は下記をおすすめします!
→1kmインターバル(設定ペース:マラソンペース▲30秒、レスト:120秒)を6本実施
→【心肺能力】【脚力】【筋持久力】を大幅に向上できる
→負荷が高いため、疲労がある日や体調に違和感のある日はしない
②筋肉疲労のない日:『レーシングトレーニング』で20分程ペースアップ走
→マラソンペースより10~20秒速いペースで走る練習
→インターバルとは違い低負荷で、【心肺能力】【脚力】を向上出来る
また、『ベアフットカテゴリー』に関しても、ベアフット(=裸足)という考え方においては、今までランニングシューズを履いていた方は、すべてベアフット初心者ということになります。
ですので、ランニング初心者や上級者であるかどうかは関係ありません。但し、使い方が非常に重要になりますので、下記記事の実践方法を守って始めましょう!
両方共少しハードなタイプではありますが、レベルアップを目指したいなら非常に効果的ですので、興味があれば試してみましょう!
5.まとめ
長くなってしまいましたので、最後に要点をまとめさせて頂きます!
・脱初心者ランナーが持っておくべき1足は、【トレーニングカテゴリー】
→レース本番から練習まで使える基本の1足
・【ナチュラルカテゴリー】と【クッショニングカテゴリー】を併用し、3つのカテゴリーを使い分ける
→30kmの壁を越えるために必要なシューズ
→【ナチュラルカテゴリー】を履いて、効率的なフォームを身につけて、レース後半のまでの無駄な疲労・負担をなくす
→【クッショニングカテゴリー】を履いて、長い距離(時間)の練習を増やして、レースすべてを走りきれるだけの筋肉のスタミナをつける
→併用することで1足辺りの耐久性もよくなる
・<心肺能力を上げたい(呼吸を楽にしたい)>や<ペースを上げたい(記録を伸ばしたい)>という方は、【レーシングトレーニングカテゴリー】を併用
→インターバルトレーニングを取り入れると一気に走力が向上する
→但し、ハイリスクなため練習時は十分に気をつける
・<フォームを極めたい方>や<自分自身の能力を高めたい方>は、【ベアフットカテゴリー】を併用
→ハイリスクな為、使用の仕方には注意が必要

先述したとおり、ご案内させて頂いたお客様の中にも、『初めてフルマラソンをスタートからゴールまで歩かずに走りきれました』『いつもより後半の失速がありませんでした』『フルマラソンで4時間半どころか4時間を切れた』という声を頂いています!
脱初心者ランナーの皆様も、自分自身で考え、自分のレベルや環境に合った”組み合わせ”や”使い分け方”を試してほしいと思います!
それでは、今日も怪我なく楽しくランニングライフを楽しみましょう!!
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ランニングが大好きで、大手スポーツ店のランニングコーナーで働いて10年『はしりびと』です。多くの商品を使用体感し、全国の店員へのランニング知識の指導、ランニング新製品のアナライザー(製品特徴を分析する仕事)などをしております。ランナーとしても、サブ3、サブ9を達成。夢は【楽しく健康にランニングをお手伝いすること】です。