こんにちは。
はしりびとです。
今回は、
【販売のプロが教えるランニングシューズの賢い選び方《入門編》】
STEP2-3:賢く選ぶ為にシューズの価格の違いを知ろう!
についてです!
このテーマは、全4STEPで語らせていただきます!
概要は↓の記事を読んでみてください。
1.前回、前々回のおさらい
前々回の記事:『定番カテゴリーを知る』で、ランニングシューズには9つのカテゴリーがあることを説明しました。そして、その9つのカテゴリーの内、【①クッショニング、②トレーニング、③レーシングトレーニング、④レーシング】の4つを詳細説明しました。
そして、前回の記事:『注目カテゴリーを知る』では、最新のランニングシューズカテゴリーである、【⑥ナチュラル、⑦ベアフット、⑧厚底カーボン系】の3つを詳細説明しました。
今回は、PART2の最終回です。
⑨ジョグ(安いシューズ)のカテゴリーをシューズの価格の違いを踏まえて紹介し、最後に9つのカテゴリーのまとめをしていきます!

それでは、早速説明をしていきます!
2.安いシューズと高いシューズの『価格の違い』
【⑨ジョグカテゴリー】は、簡単に言うと「安いシューズ」というカテゴリーのことを言います。
※業界統一の正式名称ではありませんのでご了承ください
店頭でお客様とお話する中で、
『安いランニングシューズと高いランニングシューズって何が違うの??』
『別にちょっと走るだけだったら、安いシューズでもいいんでしょ?』
という質問を度々受けます。

もちろん安いに越したことはないですよね!!ですので、特に何も考えずに「安いシューズ」を選んでしまうという方が非常に多いです。
決して「安いシューズ」を買ってはいけないとは言いませんが、
高いタイプには当然高くなる理由があります!
足を守ったり楽に走れたりする様々な有難い機能が入っています!
そこを知った上で安いシューズを買うか高いシューズを買うか選んで欲しい!
これがわたしの思うところでしたので、あえてカテゴリーとして入れています!
※「安いシューズ」で走ってはいけないというわけではありません
※マラソン大会などに出る場合は「高いシューズ」がオススメ
また、この比較のほとんどは、【①クッショニングシューズ】が対象となります。それ以外のカテゴリーで安いタイプはほとんどないので、クッショニングシューズとの比較として考えてください。
3.「価格の違い」による差を具体的に知ろう
まずは画像をご覧下さい!
上記画像の写真上が【高機能のクッショニング】で、写真下が【低価格のジョグ】です。クッション部分の厚みもほとんど同じで、初めて見た方は違いが分からないですよね!!

正直、専門的に仕事をしていないと見た目ではわからないと思います!知っていると思う方も、価格を隠されて展示されていた場合どちらが高機能なシューズかを判別するのは難しいと思います。
ですが、この2つのシューズでは機能が全く違います!
具体的に何が違うかは、以下の6つです!
→安いシューズには【EVA(エチレン・ビニール・アセテート)】というクッション素材を使っています。EVAは、軽くて安価で作れる反面、クッションの質は最低限という感じです。一方、高機能クッショニングは、このEVAを各社独自の改良を施し非常に高機能に変貌させています。各社によって多少違いはあるものの衝撃吸収力はEVAの2~3倍ほどあります。
※高機能クッショニングは様々な衝撃吸収材を組み合わせています
②クッション素材の反発力
→これもEVAを改良したクッション素材からくる機能です。EVAは衝撃吸収も最低限ですが、反発性(楽に身体をすすめるバネのような機能)がほとんどありません。高機能クッショニングの反発性は、EVAの3倍程度はあると言われています。(メーカーにより違いあり)
※最近はこの反発力が高い素材がトレンド
③着地時の関節部負担を防ぐ安定力
→こちらもEVAを改良したクッション材からくる機能です。EVAは着地時にかかる衝撃でクッション素材変形し身体のブレを発生させるのに対し、高機能クッショニングの素材は素材変形を起こしにくく身体のブレを発生させにくいです。また、シューズ底面にシャンクと呼ばれる固いパーツがついていて、これは着地時にかかる大きな衝撃からシューズが変形しないように守り、なおかつ反発させる役割を持っています。
※シャンクは安定感を抜群に高めてくれます
④足全体を包むフィット感
→着地時の大きな衝撃から足そのものがシューズ内で動かないように固定する性能です。いくらクッション素材が良くても、フィット感が悪いとパフォーマンスは上がりにくく怪我のリスクが増えると言われています。低価格のジョグはこのフィット感を高める為のサポートはほとんどありません。
※フィット感はパフォーマンスへの影響大です
⑤踵のホールド力
→踵のホールド力は安定感を生み出す為の重要なファクターと言われています。その為、高機能クッショニングには踵にしっかりと硬い芯がはいっています(一部例外あり)。一方、低価格のジョグには踵の芯が入っていますが、ゆったりしすぎているものが多いです。
※日本メーカーの踵のホールド力は抜群です
⑥シューズの耐久性
→アウトソール(シューズ底面)の耐久性が違います。安い靴は着地時にシューズ変形が起きるので強い摩擦がかかり、アウトソールが異常にすり減ります。一方、高機能クッショニングはシューズ変形も起きにくい上に、アウトソールそのものを耐久性が良いものを使っているので削れにくいです。
※アウトソールがすぐに削れる人が結構多い
以上が、「安いシューズ」と「高いシューズ」の価格の違いとなります!
まとめると、衝撃吸収力・反発力・安定感・フィット感・耐久性が格段に違うということです!また、これらの違いはほんの一部で実はまだまだあるんです!
なんとなくお分かり頂けましたでしょうか?

そうです!
距離とかは関係はなく、リスクを回避したいかどうかが大切なんです!
更に、知っておいた方がいい情報として、ランニング時の衝撃量の問題があります。
ランニング時の着地衝撃は体重の3~4倍と言われています。
体重が60kgの方なら、200kgの衝撃が着地時にかかっています。しかも、ランニング時は必ず片足で着地をしているので、体重60kgの人は着地の度に200kgの衝撃を片足で受けることになります。
更に、ゆっくり走る方は1歩がおよそ1mと言われていますので、初心者が最初に走る目安『30分で5km』を走ると考えると、30分間のうちに200kgの衝撃を5000回受けます。
これはとんでもないですよね?!


最初にも書きましたが、低価格のジョグで走ったらダメというわけではないんです!
ただ、これらを理解をした上で使った方がいいと思っているだけなんです!せっかく始めたラングを楽しんでもらうためにも、ランニングシューズは考えて買いましょう!!
4.9つのカテゴリーのまとめ
3回に分けて書いたものを少し整理させていただきます!ランナーグループ別に合うカテゴリーをまとめますので、頭を整理する意味で読んでみてください!
⑥ナチュラル(練習用・本番用) ※モデルにより異なる
⑦ベアフット(練習用)
⑨ジョグ(練習用)
②トレーニング(練習用・本番用)
③レーシングトレーニング(スピート練習用)
⑥ナチュラル(練習用・本番用) ※モデルにより異なる
⑦ベアフット(練習用)
②トレーニング(距離のある練習用)
③レーシングトレーニング(練習用・本番用)
④レーシング(スピード練習用)
⑥ナチュラル(練習用・本番用) ※モデルにより異なる
⑦ベアフット(練習用)
⑧厚底カーボン系(練習用・本番用)
②トレーニング(距離のある練習用)
④レーシング(練習用・本番用)
⑥ナチュラル(練習用)
⑦ベアフット(練習用)
⑧厚底カーボン系(練習用・本番用)
⑥ナチュラル(日々の練習用)
⑦ベアフット(日々の練習用)
⑨ジョグ(日々の練習用)
②トレーニング(日々の練習用)
⑥ナチュラル(日々の練習用)
⑦ベアフット(日々の練習用)
5.まとめ
さぁ、少し難しかった9つのカテゴリーはご理解頂けましたか?!
なかなか完全に覚えるということは難しいかもしれませんが、自分に合ったランニングシューズを選ぶ為には、【自分のランナーレベルに対応するカテゴリーを選んで履く】という作業が非常に重要です!
まずは上の一覧表を元に該当するカテゴリーを選んでいただければと思います!
シューズ単品をマッチさせるスキルは上級編ですので今は説明しません。この段階では、カテゴリーを元に店員さんに選んでもらいましょう!


順番として、STEP3では自分に合ったランニングシューズカテゴリーをどんどん絞りこんで選んでいく作業になります!複数あるシューズの中から今の自分に合ったベストなシューズを選んでいく作業です!
そして、実際に選ぶ際には、STEP1で自己分析した【ランニング経験】がポイントになりますので思い出しておいてください。
また、【使い分け方】や【持っておくべきおすすめの組み合わせ】も次回紹介していきますので楽しみにしていてください!
それでは、今日も怪我なく楽しくランニングライフを楽しみましょう!!
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ランニングが大好きで、大手スポーツ店のランニングコーナーで働いて10年『はしりびと』です。多くの商品を使用体感し、全国の店員へのランニング知識の指導、ランニング新製品のアナライザー(製品特徴を分析する仕事)などをしております。ランナーとしても、サブ3、サブ9を達成。夢は【楽しく健康にランニングをお手伝いすること】です。