こんにちは。
はしりびとです。
今回のテーマは、
『シューズの中に入れるインソール(中敷)!』
第3回は、
【アーチサポートインソールの最大のメリット】
について語ろうと思います!
※このテーマはシリーズで語らせていただきます!各回は下記をチェック↓
作成中
1.前回を簡単におさらい
まず、簡単に前回のおさらいをします!!
前回は、「足がどのようにして身体を支えているか」、「どのような構造をしているか」を少しお話させていただきました。そして、人間が行動するのに必要な【足裏の3つの機能】をご説明させていただきました。改めて、その3つの機能を紹介しておきます。
・人間は、カメラの3脚同様に【足裏の3点】で立っている
・「親指の付け根」、「小指の付け根」、「踵」の3点で立っている
・足裏の3点があるから片足で立つことも可能
②【足裏アーチ運動】の機能
・3点を結ぶようにアーチ(しなり)が存在する
・3本のアーチは、「衝撃吸収」と「バネ」が役割である
・裸足で走ったり運動できるのは、この3本のアーチが可動するからである
③【メカノレセプター(感覚センサー)】の機能
・足裏についている危険キャッチセンサーのような機能
・刺激(危険信号)をキャッチして、即座に対応・修正するセンサー機能
・3点支持を外れて体が倒れそうになった時に、倒れないように修正するような役割もある
※それぞれを詳しく知りたい方は前回の記事をご覧下さい↓
今回は、前回の【足の知識】を把握した上で、「アーチサポートインソール」の最も重要な役割である【バランスを整える機能】についてご説明していきます!
2.現代人に多い足のトラブル
前回少しお伝えしましたが、現代人は【足裏の3つの機能】が急激に低下していると言われています。その結果、日常的な「膝痛」「腰痛」に悩まされていたり、ランニングでは、「膝のトラブル」、「足裏のトラブル」などにつながることも起きています。
※ランナーに多い膝トラブルは3つの機能の低下が原因
そうですね。大いに関係していると思います。
お医者さんではないのでそのトラブルの原因を特定してはいけませんが、”足裏”や”膝”の痛みは、【足裏の機能低下】の可能性は高いです。
足裏機能の低下によるトラブルとして考えられる代表例を紹介しておきます。
②片方の膝だけが痛む
③膝のお皿の外側(または内側)が痛む
④腰周りが痛む
⑤アキレス腱周りからスネにかけて痛む
※上記は一例ですので、それ以外の痛みも【足裏】が原因になっている可能性があります。また、反対に足裏以外が原因の可能性も考えられるので、絶対的なものではないということを把握しておいてください。
では次に、足裏機能が低下するとなぜ上記のようなトラブルを生むのかを説明します。
3.足裏機能低下はどんな事態を引き起こすか
【足裏の3つの機能】が低下するとどのようにしてトラブルを引き起こすかを解説します。
人間は基本的に誰しもが持っているこの3点支持ですが、今この【3点支持】が【2点支持】になってしまっている方が多くいらっしゃいます。実際、足圧をはかるようなフットプリントを見てみてみると下記のようになっています。
「親指の付け根」と「小指の付け根」を繋ぐアーチ(”横アーチ”と言います)が潰れてしまい、この2点が点ではなく、1つの面になってしまっているのです(親指の付け根から小指の付け根までの面)。そうすると、中心に圧がかかりやすくなるので、ちょうど「中指の付け根」に点ができやすくなります。つまり、「中指の付け根」と「踵」の2点支持となるのです。
カメラの3脚の話でもお伝えしたとおり、2点支持は非常に不安定です。人間には「筋肉」や「靭帯」が存在するので、倒れないように保持できますが、不安定な状態に変わりはありません。そのような不安定な状態で、着地衝撃の大きいランニング行うとバランスを取る為の筋肉を多く使います。そして、キャパを超えた瞬間に左右ブレが多くなります。その結果、『片方の膝が痛い』や『膝の外側(内側)が痛む』といったトラブルを招くことが多くなるのです。
更に、2点支持の方(横アーチが潰れている方)の多くは、「浮き指」になっていることが多いです。詳しくは書きませんが、「浮き指」の方は身体全体(体幹)に力が入りづらく、上半身おバランスが不安定になりがちです。その結果、『腰周りが痛む』という方が多いです。
3点支持と同様に、人間は基本的に誰しもが持っているこの【アーチ運動機能】ですが、この機能も上手く使えない方が増えています。その要因の1つは、「アーチの高さ」が低すぎる(または高すぎる)ことによるものです。
アーチが低い場合を”ローアーチ”(よく偏平足と言われるもの)と言いますが、アーチのしなる範囲が小さくなるため、『衝撃吸収』と『バネ』が少ししか効かず、より筋力を浪費する状態になります。反対に、アーチが高い場合を”ハイアーチ”と言いますが、今度はアーチが高すぎることによって上手くしならないことが多くなります。その結果、『衝撃吸収』と『バネ』が少ししか効かず、同様に筋力を多く浪費する状態になります。
「アーチの高さ」が疲労に繋がることは多くの方が知っている事実ですが、実はそれほど大きな問題ではありません。なぜなら一流アスリートでも”扁平足”の方は多く、またそれは遺伝とも言われているからです。【足裏アーチ運動】が上手く使えずにトラブルになることの多くは、「アーチへの体重の乗せ方」に原因があります。アーチには正しく体重を乗せるべき点があります。くるぶしの斜め下くらいにある「舟状骨」という骨です。この「舟状骨」に真上から真っ直ぐ体重を乗せることで、3点のアーチが均等に引っ張られて『衝撃吸収』と『バネ』の効果を発揮します。
ですが、今多くの方がアーチバランスが崩れ、「舟状骨」が内側に入っています。これは「足裏筋肉」の低下によるものが大きいでしょう(その理由は【メカノレセプター】のパートで書きます。)足裏筋肉が低下してしまい、「舟状骨」をはじめとした足の骨格を支える筋力がないまま運動してしまうことで、本来あってはいけないような位置にずれてしまいます。そして、内側にずれた「舟状骨」に体重を乗せてしまうことで、アーチが内側に大きく倒れてしなります。その結果、内側縦アーチ(土踏まずと言われるところ)が限界以上に引っ張られ伸びることで、「足裏」の痛みが発生するのです。また、内側に倒れたしなりは『衝撃吸収』や『バネ』もほぼ効果をなくすので、結果的にその機能も活かせなくなるのです。
このような状態で運動を続けると、「アキレス腱」にも影響が出てきます。下図のように足首周りを後方から見ると、アキレス腱が内側にネジ曲がることがあります。この状態になると、『アキレス腱周りからスネにかけて痛む』ということが出やすくなります。
先述の2つの機能と同様に、人間は基本的に誰しもが持っているこの【メカノレセプター機能】ですが、おそらく多くの現代人はこの機能を使えなくなってきています。なぜなら、多くの方が生まれて1歳を過ぎるころには靴を履くようになり、裸足で行動する機会がないまま成人になっていくからです。数十年前は裸足になる機会は多少ありましたが、今はほとんどないと聞きます。”足裏センサー”は使わないとその能力を落ちていきます。その結果、【3点支持の喪失】や【アーチ運動の喪失】を生んでしまいます。
また、「分厚いクッションの入ったシューズ」が増えたことも【メカノレセプター】が働きにくくなった要因です。薄いシューズであれば、足裏に”刺激”や”情報”が多少入ります。何かを踏んだら痛いと感じたり、地面からの衝撃を感じるという情報です。ですが、分厚いシューズだとそれらの情報は遮断されます。これも【3点支持の喪失】や【アーチ運動の喪失】を生んでしまいます。
結果的に足裏の筋肉なども使わなくなるので、②でお伝えしたような「足の変形」に繋がります。つまり、【メカノレセプター】機能を使わなくなると、あらゆるトラブルを招く言えます。
※あくまで1つの考え方です。トラブルの要因は様々な事象の積み重なりですので、一案として捉えてください。
そうですね!
「アーチサポートインソール」はこういった足のトラブルを起こす原因に対して、ある程度の”働きかけ”ができるアイテムだと言えます!!「完璧に解決できる」とまでは言えませんが、ある一定程度のサポートはできると思います!
※スポーツ店などに行けば、「足圧」を無料で測ってくれたり、「アキレス腱の傾き」を見られる機械などもありますので、気になる方は是非一度行ってみてください!!(信頼できる店員さんがいればその方にやってもらうのがベストですね!)
4.足裏機能低下をカバーするアイテム
上記のとおり、「アーチサポートインソール」はこういった足のトラブルを起こす原因に対して、ある程度の”働きかけ”ができるアイテムだと言えます!
先に結論から申し上げると、アーチサポートインソールを装着することにより、
・計算された形状により、3点支持が崩れないように保持する
・すでにバランスが崩れている場合でも、3点支持を再現できる独自のカップ形状を採用している(モデルによって強弱がある)
・浮き指の方でも指を使えるカップ形状になっている
②正しいアーチ運動をするよう促す
・アーチの高さをあるべき高さに調整するようなアーチ形状を採用(ハイアーチ用とローアーチ用などもある)
・「舟状骨」がずれている場合、正しい位置に修正するようなカップ形状になっている(程度に応じてカップの深さや硬さなどを選ぶ)
・「アキレス腱」がねじれている場合、正しい位置になるよう修正するような形状になっている(ここまで来るとオーダーメイドが理想)
・正しい体重の乗せ方ができるように、プレートの傾斜が計算されている(あったモデルを選ぶ必要がある)
③メカノレセプター機能の代わりをする
・分厚い靴を履いた状態でも、バランスが崩れないように”土踏まずのプレート”や”踵のカップ”がサポーターのように保持する
・足裏筋力がなくてもぶれないように支えてくれる形状になっている
良さを知っていただけて良かったです!
『クッション性の高い分厚いランニングシューズを履く方』や『足裏や膝や足首周りのトラブルに悩まれている方』、『片方の足に違和感を感じている方』など、是非アーチサポートインソールを使ってみてください!!きっとある程度の良さを実感していただけると思います!
特に、分厚いシューズを履いている方は一度使っていただく方がいいと思います!
ですが、このまま「アーチサポートインソール」に頼りきって走るのもどこか寂しいですよね・・・。ですので、出来れば練習時に『裸足で歩く時間』や『ベアフットシューズを履いて歩いたり軽いジョグをする時間』などを作ってみてください!!
それをしたからとって、すぐに【足裏の3つの機能】が元通りになることはありませんし、回復するかも定かではありません。ですが、「足裏」に刺激(情報)が入ることは間違いありません。また、ランナーにとってはちょっとしたリカバリーにあることもあるので、出来れば実践してみてほしいです!
※足裏のリカバリーについては下記記事でも書いています
5.まとめ
以上が、
第3回:【アーチサポートインソールの最大のメリット】
となります。
改めてまとめます!
①3点支持をキープし、創出を促す
・3点支持がキープしやすくなります(安定性アップ)
・3点支持を再現しやすくします(安定性創出)
②正しいアーチ運動をするよう促す
・『衝撃吸収』と『バネ』を発揮しやすくします(クッション性と反発性アップ)
・捻れやズレを抑えて安定したアーチ運動がしやすくなります(怪我のリスク回避)
③メカノレセプター機能の代わりをする
・足裏センサが行っていたバランス保持を代わりにします(バランス力アップ)
・足裏筋力がなくても安定して行動できます(安定性アップ)
是非今回の記事を活かしていただき、インソール選びにお役立てください!!
それでは、第4回:【アーチサポートインソールの種類】に続きます!
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ランニングが大好きで、大手スポーツ店のランニングコーナーで働いて10年『はしりびと』です。多くの商品を使用体感し、全国の店員へのランニング知識の指導、ランニング新製品のアナライザー(製品特徴を分析する仕事)などをしております。ランナーとしても、サブ3、サブ9を達成。夢は【楽しく健康にランニングをお手伝いすること】です。