こんにちは。
はしりびとです。
今回は、改めて注目したい【ランニングシューズ】について語ろうと思います!
前回紹介の『デルタトライOP』の兄弟モデル!!
こんなクッショニングシューズを待っていた!!
現存するクッションSHの中では最も自然な履き心地!!
『DESCENT/デルタ LD』
を大分解します!!
【ブランドについて】 日本発祥のスポーツウェアブランドです!代表的商品はスポーツウェアですが、2019年11月に陸上マラソン向けモデル『GENTEN(原点)シリーズ』、今回紹介するトライアスリート向けモデル『DELTA TRIシリーズ』にて、ランニングシューズ業界に新規参入しました!ランニングシューズ作りの歴史は、大手国内メーカー【ASICS】や【MIZUNO】と比べると短いですが、以前よりバレーボールシューズ等の製造販売は行っていることもあり、靴作りの歴史があり日本人の足の特徴を知っているメーカーではあります!また、【ASICS】や【MIZUNO】とは異なり、海外大手メーカーの販売元(日本代理店)にもなっているため、技術等の知識は他方面から吸収・教授しています!例えば、トレランシューズで有名な【inov-8(デサントが日本代理店)】に使われている”グラフェンソール”(業界で話題になった特殊なアウトソール素材)を、inov-8の技術を享受する形でDESCENTは採用しています!足りない技術や素材などは、連携各社の良いものを採用するといった形で上手く作られています!(もちろんDESCENTの開発技術力も高い!!)今後、【DESCENT】のランニングシューズは要注目ですよ!!
【前回紹介のデルタトライOPの記事】
前回紹介した『DESCENT/デルタトライOP』は、トライアスロンのスタンダードディスタンス(スイム1.5km、バイク40km、ラン10km)用に作られ、最後のRUNパート【10km】をとにかく速く走ることが目的で作られたレーシングシューズです!(詳しくは上記記事を参照ください)
その為、ソールが極めて薄く地面をしっかり捉えて蹴って走るので、主な使用者は、「ランニングの中級者~上級者(10~15kmのスピードレース)」、「記録更新を目指すトライアスリート」と限られるところがありました。
※デルタトライOP↓
一方、今回紹介する兄弟モデル『デルタLD』は、トライアスロンのロングディスタンス(スイム3.0km以上、バイク100km以上、ラン30km以上)用に作られ、最後の長いRUNパートを無事に完走できるようにすることが目的で作られたクッショニングシューズです!
詳しくは、後述しますが、積み重なった疲労時でも無事に走り切れるようなサポート性があるので、「トライアスロンで完走を目的にされる方」、「ランニングを始める方・初心者」にもおすすめです!
この『デルタLD』を履いた方からのコメントでは、
クッションはあるんだけどしっかりしている感じ!
着地時にグニャグニャせず安心して着地出来る!
初めは硬い印象だったけど履いてるとちょうどいい!
マイペースで走れる!LSDとかにちょうどいい!
コレと言って特徴がないんだけどなんか感覚的にいい!!
また、トライアスロンをされている方からの反応は、
通気が良い!濡れた状態で履いても驚くほどすぐ乾く!
トライアスロン設計だけあって素足で履いても違和感が少ない!
トライアスロンのファーストシューズにはいいかも!
などなど!
それでは、トライアスロン・ロングディスタンス向け『DESCENT/デルタLD』というモデルを解説していきます!!
1.『デルタLD』はどんなタイプ?
以前紹介したランニングシューズ【総合チャート表】で、どこに『デルタLD』が入るかを説明します!
↓チャート表上での立ち位置
※下記のPDFファイルをダウンロードしてもらえれば、綺麗に見られます!
↓
主な、使用者は下記のような方になります!!
・初級者ランナー(完走~サブ5目標) <距離別区分> ※しっかり選ぶならこの方法 ・中級者~上級者(サブ4目標以上の方)のLSD・リカバリージョグ(回復)用 ・脱初級者(サブ4.5~5)のロング走用、疲労を溜めたくない練習用 ・初級者ランナー(サブ5~完走目標)のフルマラソンの本番用・普段の練習用 ・トライアスロンで完走を目指す方(ショート~ロングまで関係なく) ※チャート表の見方については下記参照(2020年版ですが見方は同じ) それでは、細かくみていきます!! ・重量:261g(26.5cm) ・ドロップ(前後差):8mm ・ミッドソール:DELTA SYSTEM(デルタシステム) ・アッパー:LOOSE LAYER FIT(ルーズレイヤーフィット) *トライアスロン・ロングディスタンスを完走する為の靴 *トライアスリートが悩むポイントを解決するために作られた靴 *ロードランナーでも履ける仕様 大きく3つに分けて特徴を紹介します!! 「デルタLD」も、これまで同様に3つの特徴に集約されますので、是非参考にしてみてください!使用体感コメントも参考に!! 前回紹介した兄弟モデル『デルタトライOP』でもお伝えしましたが、【DESCENTランニングシューズ】に共通する最大の特徴は、「simple is best、つまり、足にしっくりくる癖のない自然な履き心地」です!履き心地が自然な方が、身体への負担を軽減できると考えて設計されています! その自然な履き心地を最も体現しているのが、【DELTA SYSTEM(デルタシステム)】というDESCENT独自のミッドソール構造です!詳しくは、前回の記事(→ https://hashiribito-sodo.com/gear-shoe21)お読みいただければと思いますが、簡単にこのミッドソールを説明させて頂きます! 【DELTA SYSTEM】は、「EVA(一般的な安価なミッドソール素材」「衝撃緩衝材(EVAより少しクッション性がアップ)」という極一般的な癖のないミッドソール素材に、独自の「特殊プレート」を加え、3つの素材を組み合わせたミッドソールシステムです。この3つを組み合わせることで、推進力をサポートするようにしています!また、この「特殊プレート」は流行りの高反発「カーボンプレート」とは全く異なります。DESCENT独自の技術で『織物をベースに作られたプレートで、カーボンプレートとは違い”高い柔軟性”と”足への馴染みやすさ”が特徴』です。つまり、【DELTA SYSTEM】は、他社メーカー素材と比べてわかりやすい履き心地ではありませんが、履き心地の癖を少なくした上で自然に反発サポートをしてくれるミッドソールシステムだと言えます!『デルタLD』は、「トライアスロンで疲れ切った足を守る」「初心者ランナーの足を守る」ために、ミッドソールをやや厚めにしていますが、昨今のトレンドシューズのような”特徴的な履き心地”ではなく、人間本来感じるべき”自然な履き心地”になっています! 更に、『デルタLD』では、もう1つ【Dual Density midsole(デュアルデンシティミッドソール)】というミッドソール構造も採用しています!これは、「ミッドソールの内側と外側を非対称にした構造」、かつ、「踵部と中足部で異なる硬度のEVAを採用した構造」を言います。これにより若干重量は増えますが、踵部は”安定性”がアップし、中足部~前足部は【DELTA SYSTEM】の”反発性”をより活かせる構造となっています! これまでも何度かお伝えしてきましたが、ランナーは疲れてくると「踵着地」になる傾向があります。ましてやトライアスロンのような過酷な競技であればその確率は上がると言えるでしょう。そんな極度の疲労状態でも、自然な履き心地でしっかりと足を守り、程よい推進力サポートがにあるのが『デルタLD』と言えます!昨今のトレンド系シューズは、疲れた状態でもガンガン前に進めるようにサポートしてくれます!一方、『デルタLD』は疲れた状態のときにしっかり足を守ってくれた上で前に進めるようにサポートしてくれます!あなたはどちらが好みでしょうか?是非試してみてください! 【使用レポ:LSD走(3時間)で使用】 「柔らかくもないし硬すぎることもない」、「厚いけど接地感がある」、「めちゃくちゃ進むという感じはないが、ある程度楽に進めてくれる感じもある」といった可もなく不可もなく的な印象のシューズです!ですが、たくさんのシューズを履いてきた私としては、昔のランシューのような特徴のない”自然な履き心地”は、今の時代レアですし懐かしくもあり、めちゃくちゃ好きです!!昨今のクッショニングシューズのほとんどが、【軽量・クッション・反発が効いた素材】を採用し、【楽に進めるロッカー形状】をつけています。これはこれでいいのですが、どうしてもペースがあがりやすく、「疲労抜きのJOG」や「LSD走」などのペースを抑えるランがやりにくい印象がありました。ですが、『デルタLD』は、「疲労抜きのJOG」や「LSD走」などのペースを抑えるランがやりやすいです!これまでは、こういった練習時に『MIZUNO/スカイライズ2(https://hashiribito-sodo.com/gear-shoe19)』を使用していましたが、「疲労抜きのJOG」なら柔らかさのある『スカイライズ2』、「LSD」なら安定性の高い『デルタLD』といった使い分けが出来そうな感じです!(どちらか一方は持っておくといいかもですね!!)初心者ランナーの使用はもちろんですが、昨今の柔らかい素材が苦手な方でクッショニングシューズを探されている「サブ4.5~3ランナー」にはおすすめですよ!
特徴①で、【DELTA SYSTEM】と【Dual Density midsole】という2つのミッドソール構造が「反発性(推進力)」をサポートすると記しましたが、実際のところ際立って高い機能ではありません。【New Balance/Fuelcell】【MIZUNO/MIZUNO ENERGY】【ADIDAS/BOOST】などのトレンド素材の方が圧倒的に反発性は高いです。更に、自然な履き心地を最優先しているので、【ASICS/RIDEシリーズ】のような推進力を増す”爪先ロッカー形状”も採用していません。こういったことを考えても、他社よりも”自然な履き心地”という面では圧倒的にレベルが高いですが、「反発(推進力)機能」が劣るのは間違いないと言えます。 とはいえ、『デルタLD』も推進力に関しては、もう1つアプローチをしています。それが、主に『GENTENシリーズ』で使われている【中足部ドロップ】という設計です!これを使うことで、自然な履き心地と推進力をサポートを両立させています! 通常、シューズはミッドソールを直線的に作ります。一般的には、踵部を厚く、爪先にいくに従って薄く設計することでシューズ内で直線の”坂道”を作って、前方方向への推進力を生むようにしてくれます。この坂道の斜度がきつければ「高ドロップ」、ゆるやかなら「低ドロップ」という考え方でした。過去にも説明しましたが、”高ドロップ”は、勝手にスピードが出るが、ランニングフォームや着地方法が乱れがち。低ドロップは、ランニングフォームが意識しやすいが、推進力を得難い。それぞれメリット・デメリットがありました。 『デルタLD』は、低ドロップに入るのですが、通常のような直線的なミッドソール設計をしていません。中足部で急激な落差を付ける部分的な坂道設計【中足部ドロップ】を採用しています。そうすることで、自然な履き心地ながら、スピードの出方(推進力)が上がるのです!つまり、ランニングフォームを意識しながらも、推進力を生み出せる!更に、自然な履き心地もキープできる!これが【中足部ドロップ】のメリットです! とにかく自然な履き心地に拘っている『デルタLD』は、機能に頼りすぎない身体を作る面でも、ランニング経験者はもちろん「これから走られる方」「ランニング経験の浅い方」などにもファーストシューズとして使ってみてほしいです! 【個人的には”ウルトラマラソン”にもおすすめ】 このシューズは、ウルトラマラソン(80~100km)にもおすすめです!「ウルトラマラソンのシューズってどんなのがいいの?」ってよく聞かれますが、完走を目標とされる方には、柔らかすぎず硬すぎずの『デルタLD』がおすすめです!「距離が長い分、衝撃を吸収してくれる”柔らかいクッション”、楽に進めてくれる”高い反発性”が必要だ」と考えられている方が多いかもしれませんが、これには少しリスクがあります。必ずしも悪いわけではないのですが、フルマラソンでよく履くような”クッション”や”反発”が効くシューズは、ペースが上がりやすいメリットがあるものの、総じて上下動が起きやすくなります。上下動が発生すると、足腰への負担が増えたり、エネルギー消費が早くなったりします。フルマラソン程度の距離ならば、これをごまかして完走することも可能ですが、倍以上の距離を走るウルトラマラソンでは、体力も精神も限界に来ることがあり、そうするとごまかしきれず命取りになることが多々あります。結論、ウルトラマラソン完走を目指す方(特に初めて挑戦される方)は、”安定性”を重要視すべきだと思います!そのうえで”クッション性”や”反発性・推進力”が備わっているべきかなと思います!これは、まさに『デルタLD』の特徴ですね!ウルトマラソンを走られる方は、是非試してみてほしいです! 『デルタLD』にも共通する【DESCENTランニングシューズ】の特徴と言えば、やはり抜群の”フィット感”です! 前回の『デルタトライOP』でもお伝えしましたが、特に、「踵のホールド(固定)感」においては【ASICS】や【MIZUNO】にも負けず劣らずだと思います!『デルタLD』の踵のホールドは、『デルタトライOP』ほどタイトに抑え込む感じではありません。『デルタLD』のヒールカウンター周りには、柔らかいクッション素材を使用し、踵周りを包み込むような”柔らかいホールド感”が特徴です!「足幅が広い方」や「踵幅が広い方」にはしっくりきやすい形状だと思います!また、ロングディスタンスのような「長い時間・距離で使用される方」には、柔らかいフィット感を感じられる方が足当たりも良くストレスを感じにくいでしょう! これも何度もお伝えしていますが、踵をしっかりとホールドしてくれるタイプだということは、踵着地になってもしっかりと足を守ってくれる証拠だと言えます!特徴①でもお伝えしたように、ランナーは疲れてくると「踵着地」になる傾向があります。ましてやトライアスロンのような過酷な競技であればその確率は上がると言えるでしょう。また、走り方がわからない初心者ランナーも同じく「踵着地」になる傾向があります。上手い走り方が意識できない状態でも、しっかりと足を守ってくれるのが『デルタLD』のフィット・ホールド力なのです! 『デルタLD』は、低ドロップ設計なので”あらゆる着地方法”でも走ることが可能ですが、実際履いてみて感じるのは、「足裏全体で着地(ミッドフット走法)をする方」、「踵で着地(ヒールストライク走法)をする方」ほど使いやすいです!「フォアフット着地」をされる場合、前足部のミッドソール分厚く、少し邪魔に感じることがありました! 【トライアスロン仕様:排水性・通気性を高める構造】 『デルタLD』は、『デルタトライOP』同様にトライアスロン向け対策として、シューズ各所に【排水性】【通気性】を高める構造を施しています!1つ目は、「アウトソールに通気口を設けている点」です!ベンチレーションと言われるシステムで、アウトソールに”穴”を設けることで、【①空気循環を早めて蒸れを抑える】、【②入ってきた水分を即座に逃がす】といった役割があります。トライアスロンでは、「足が濡れたままの状態で素足のまま靴を履く」、「長時間運動の最後のRUNパートで身体や足に水をぶっかけて冷やす」などを行うことがあります。この場合、排水や通気が悪いと、マメや靴擦れの原因になってしまうのです。2つ目は、「水分が中に入ってきにくい3レイヤーアッパー(メッシュが3層)になっている点」です!『デルタトライOP』のような極薄アッパーではないので”通気面”では劣りますが、【①身体を冷やすために水をかけても水分が入ってきにくい(ロングディスタンスならでは)】、【②中の水分を素早く吸収し濡れ感を抑える】といった役割があります。3レイヤーになることで重さが増す要因にはなりますが、ロング距離をしっかりサポートするための仕様になっています!この2つのトライアスロン対策構造によって、最後のRUNパートを少しでも快適になるよう設計されているのです! どうでしたでしょうか?! 『DESCENT/デルタLD』の特徴が伝わったでしょうか? 簡単にまとめると、 ①【DELTA SYSTEM】という”素材の組み合わせ”で機能を高めているので、足本来の機能を邪魔しない自然な履き心地(自然なサポート力) ②自然な履き心地のクッションと高い安定性を備えているので、極度の疲労状態でも身体をしっかり支えてくれる(今の時代には珍しい安定性が抜群に高いクッショニングSH) ③中足部ドロップ設計がフォームの安定と推進力をサポートしれてくれる(効率的な走りも意識しやすい) ④決して高い反発性ではないが、自分のペースで走りやすい(LSDやウルトマラソン完走目的の方に最適) ⑤ASICSやMIZUNOにも劣らぬフィット感!踵のホールド力は抜群に高い!(日本人の足に合いやすいフィット感) ⑥排水性や通気性も良くトライアスリートにおすすめの専用設計になっている(マメや靴擦れ防止に最適) となります! 今回もしっかり走り、何度も試履き・実走した中で感じたレビューになります!まずは店頭で試履きし、その特徴を体で感じてみてください!! そして、今回の記事を参考にしていただき、自分のレベルに合ったもの・必要なものを選ぶための材料にしてみてください! ↓ブログランキングに参加しています! 『読んだよ!』のポチッとをしていただけるととても嬉しいです!! ランニングが大好きで、大手スポーツ店のランニングコーナーで働いて10年『はしりびと』です。多くの商品を使用体感し、全国の店員へのランニング知識の指導、ランニング新製品のアナライザー(製品特徴を分析する仕事)などをしております。ランナーとしても、サブ3、サブ9を達成。夢は【楽しく健康にランニングをお手伝いすること】です。2.『デルタLD』の基本スペック
3.『デルタLD』の特徴①素材の”質”ではなく”組合せ”でランナーの足を守る
②『中足部ドロップ』でフォーム効率化と推進力向上!
③フィット感はやはり抜群!あらゆる着地にも対応可!
4.まとめ