こんにちは。
はしりびとです。
今回は、
【販売のプロが教えるランニングシューズの知識を学ぼう《機能編》】
STEP3-2:5大ブランドのクッション材「機能ポイント一覧チャート」の公開
についてです!
このテーマは、全3STEPで語らせていただきます!
概要は↓の記事を読んでみてください。
1.はじめに
前回のSTEP3-2【5大ブランドのクッション材の機能ポイント一覧チャートの公開】では、各メーカーを代表する13個のミッドソール素材に対して、4大機能比較一覧を5段階評価で発表させていただきました!
※5大ブランドのクッション材の機能ポイント一覧チャート
今回のSTEP3-3では、その『機能チャート表』から何が読み解けるのかを説明していきます!
そして、各素材のアピールポイント(どんな方におすすめで、どういう場合に有効か等)をお伝えさせて頂きます!
そうすることで、13個のミッドソールの違いをしっかり見分ける知識を習得できます!是非じっくりと読んでみて下さい!
前回同様に、
非常に非常にひじょ~~~に重要!!
ですので、しっかりと覚えておいて欲しいです!!
これさえ覚えてしまえば、各シューズの特徴がしっかりとわかるようになりますし、更には応用も利かせられるので今後のシューズ選びにとても役立ちます!
自分自身でシューズを選んでいけるようになるための重要なポイントですので、しっかりと把握しておきましょう!

それでは、早速説明を始めていきます!!
2.ミッドソール素材のチャート表の見方について
前回の最後でお伝えしましたが、見分ける際のポイントが4つあります。
まずは、その4つのポイントをお伝えします。
→一般的にミッドソール素材のことを【クッション材】と言います。これは、STEP1でお伝えしたとおりミッドソールの大きな役目が衝撃吸収性であるためこういった言い方をします。 →4以上あれば大分類として『クッションタイプ』、3以下なら『それ以外の特殊』と覚えてください。 ②クッション性が4以上の場合、次に『反発性』が高いか、『安定性』が高いかをチェック →基本的に、クッション・反発・安定の3つの機能すべてが高い素材はありません。これはそれぞれが相反する性質を持っているがゆえに実現が難しいとされています。 →反発性が優位なら『クッション・反発タイプ』、安定性が優位なら『クッション・安定タイプ』と覚えてください。 ③更に軽量性で見て、細分化する →ミッドソールは年々進化してきており、機能を持ちながら軽いというのが絶対条件になりつつあります。 →最近開発された素材ほど軽く、昔からある定番素材ほど重い、といった傾向があります。 ④クッション性が3以下の場合、なにが特徴のタイプか? →レースの高速化が進んできている時代(アスリートも市民ランナーも速くなってきている)において、スピードを出すための『高反発・超軽量タイプ』が増えてきています。 →軽さを大前提にして、大きなクセがない素材『ナチュラルサポートタイプ』もあります。 いえいえ! ややこしそうに見えるかもしれませんが、実はとても簡単です! 言葉にするとどうしても複雑になりがちですので、わかりやすくなるように【タイプ別一覧表】にまとめなおして分析を進めていきます! クッション・反発タイプ :クッションが4以上あり、反発性が優位のタイプ 4 4.5 2 4 14.5 4.5 4 2 4 4 4 2 3 13 4 5 2 4 15 今トレンドになっているクッション材の1つが、上記で紹介したクッション・反発・軽量の3拍子が備わった素材です!(NIKEのZOOM AIRは若干軽量性には欠けます) 各社この素材開発に力が入っており、これからも多くのクッション・反発・軽量の素材が開発されると予想されます!一方で、『クッション・反発タイプ』の素材は、総じて安定性に欠けるということも覚えておきましょう! ASICSが初めて出した”クッション・反発・軽量”に優れたの素材です! 従来アシックスと言えば、安定性を重視した素材の開発が多かったのですが、世の中のトレンドに乗る形で発売されました。クッション・反発・軽量を高いレベルで実現しており、『クッション・反発タイプ』のお手本のような素材で、「やらかさと・反発の両方を同時に感じられるシューズが欲しいという方」にもおすすめです! MIZUNOが出している”クッション・反発・軽量”に優れた素材がコレです! 《ASICS/FLYTEFOAM BLAST》と非常に似たタイプの素材で、軽量でありながら、クッション性と反発性に優れているのが特徴です!ASICSのものと比べた時に、ややクッション性に長けているのが《MIZUNO ENERGY》の特徴で、「衝撃を和らげてくれる機能を高めたい方」「より初心者の方」におすすめです! 今のようなトレンドになる前からNIKEがずっと採用している『クッション・反発タイプ』の素材です!(NIKEの代名詞と言われている素材) 最新の素材ではないためやや重さがありますが、クッション性と反発性の機能は抜群に高いものがあります!メリットとしては、上記4つの素材の中では一番クッションの硬さがあるので、「クッションが柔らかすぎるのが苦手な方(グニャグニャしたのが苦手な方)」にもおすすめです! ”クッション・反発・軽量”の先駆けであり、今あるトレンドを作り出したと言われているのが《BOOST》です! それまでは上記で説明した《NIKE/ZOOM AIR》が、『クッション・反発タイプ』の代表的な素材でしたが、それをもっと柔らかく軽くし、更には、異次元の反発性を加えたことで話題になりました!「柔らかさも欲しいがとにかく反発機能が欲しい方」「クッションはもちろんとにかく楽に進みたいという方」にもおすすめです! ※残念ながら2022年現在ADIDASの多くのシューズがBOOSTを使わなくなっています そうですね!! 最初に書いたとおり、今一番トレンドになっているのが『クッション・反発タイプ』です!今後も5大メーカー以外も含めてたくさん出てくると思いますので、是非注目しておいてください!また、このブログでも紹介していきますね! クッション・安定タイプ :クッションが4以上あり、安定性が優位のタイプ 5 2 5 2 14 4 3 5 3 15 見て頂くとわかりますが、『クッション・安定タイプ』は国内メーカーの2社のみです! 各社が安定性を重視していないというわけではありません。単純に、ASICS・MIZUNOはシューズの2つの目的のうち【身体を怪我から守る】を大前提に靴作りを行っているからです!「攻め(反発)よりも守り(安定)を重視する」というのは、ある意味では日本人らしい考え方ではあります。ですので、怪我のリスク回避をしたいという方は、この2つの素材を使っているものがおすすめです。 ※反対に、海外メーカーは、総じてクッション・反発タイプの素材開発を選ぶ傾向があります。それは2つの目的のうち【パフォーマンスを引き上げる】を優位に設計しているからです。(裏事情としては、世界各国に打ち出す際、<クッション反発を謳うワードのウケがいい>=<売れやすい>というのがあります。例えば「楽に走れる・気持ちよく走れる・弾むように進む」など、キャッチに響く) おそらく国内で最も有名なミッドソールクッション材です! 重量があるのが欠点ではありますが、クッション性と安定性の両方をここまで高めた素材は他にはないです。昨今では、このクオリティが海外のランナーにも好まれてきています。『クッション・安定タイプ』の最高クラスの素材で、「とにかく衝撃を少なくしてくれて、怪我をしにくい靴が欲しい方」「足に優しい靴が欲しい方」におすすめです! 『GEL』ほどの知名度はないですが、ファンが急増しているミッドソール材です! STEP3-1で伝えた通り、『ミズノウェーブ』というプレート構造を用いることで4大機能を高めています!特に、”クッション性と安定性を高めながらも軽い”というのが特徴です!プレートなのでGELと比べて少し硬さがありますが、「ウェイト(体重)のある方」「怪我をしにくくて、なおかつ軽い靴が欲しい方」におすすめです! そうですね!! 日本メーカーの安定性に関する技術は海外にはあまりないものなので、怪我のリスクを避けたいということであれば、【GEL】【MIZUNO WAVE】を使ったシューズを選ぶ方がいいですね! 高反発・超軽量タイプ :クッションは3以下のタイプ :反発&反発が4以上のタイプ 2 5.5 2 5.5 15 3 5 2 5 3 4.5 3 4.5 15 先に紹介した”クッション・反発タイプ”と並んでトレンドになっている素材が、『高反発・超軽量タイプ』です! 昨今、箱根駅伝の区間新記録・マラソン世界新記録・日本新記録の更新が活発になってきています。それが示すように、急激にレースの高速化が進んでいます。また、市民ランナークラスでも、市民ランナーの走力レベルが上がりました!そういったレベルの高いレースに挑むランナーに応えるべく作られた素材タイプです!(当然クッション性と安定性は落ちます) おそらく現存のクッション材で、ここまで軽くて高反発な素材は【ZOOM X】以外にないです! 反発性を高めたがゆえにクッション性はあまりないですが、圧倒的なスピード感(反発力)を感じたいならばしっかり応えてくれる素材です!但し、耐久性が低いのは弱点です。「とにかく軽くてスピードを出しやすいシューズを求める方」「結果にこだわりたい方」におすすめです! 【BOOST】に変わる新素材として、”ZOOM X”に近いスペックをもっているのが【Light strike PRO】です! ブースト以上の反発性と軽量性を備えているので、これまでのアディダスの中で最もスピード感を出しやすい素材と言えます。また、”ZOOM X”よりもクッション性があることから、足への負担も気になる方にはいいでしょう。「軽くてスピードを出しやすい結果を出せるシューズが欲しい」「クッション性も捨てきれない方」におすすめです! 高反発・超軽量の素材でありながら、クッションも安定も悪くないという、このタイプとしては欠点が少ない素材です! 反発性や軽量性は【ZOOM X】【Light strike PRO】ほどではありませんが、足や関節への負担が気になるランナーには【FUELCELL】がおすすめです!「結果にこだわりたいが、足への負担も注意したい方」「高反発・超軽量タイプをはじめて試す方」におすすめです! そうですね!! 年々進化してきており、日々新しい素材を各社は開発しています!『クッション・反発タイプ』と同様に、今後どんどん増えてくると予想されますので、是非覚えておきましょう! ※高反発を語る上で、【カーボン】素材は外せません。こちらはまた別途詳しく説明します ナチュラルサポートタイプ :クッションは3以下のタイプ :その他で飛びぬけるものがない平均的なタイプ 3.5 3 3.5 4 14 3 3.5 4 4 3 3.5 3.5 4 2.5 3 4.5 4 14 最初に書いたとおり、履き心地に大きな癖がない素材です!軽量は条件でありながら、他の3つの機能は平均的でバランスが取れた素材です! 平均的ということは、【柔らかすぎず・硬すぎず、安定感もある程度あり、適度に反発する】ということです。万人に合いやすいと言えます!上級者が履くシューズにも初心者が履くシューズにも取り入れやすいマルチな素材と言えるでしょう! 『クッション・反発タイプ』で紹介した【FLYTEFOAM BLAST】の元となっている素材で、軽量を前提に他をバランスよく備えた素材です! この素材の登場までASICSは【GEL】が中心だったこともあり、”ASICS=クッションと安定はいいが、少し重い”という認知が一般的でした。ですが、この素材の登場からASICSでも軽いシューズが増えてきており、ASICSのイメージを変えた素材と言えるでしょう!「履き心地のクセがないシューズを求める方」「その中でも足を守る機能を優先したい方」におすすめです! NIKEが「クッション・反発・軽量」を謳って開発された素材ですが、どちらかというと安定性に長けたバランスの良い素材という印象です! 反発性はメーカーが謳うほどの高さは感じられませんが、軽さは抜群です!また、上記4つの素材の中では安定性が高いほうになるので、「履き心地のクセがないシューズを求める方」「関節の怪我が気になる方・ウェイト(体重)がある方」におすすめです! ADIDASが【BOOST】の欠点だった安定性を補うために開発したのが【Light strike】という素材です! 【ASICS/FLYTEFOAM】同様に、非常に全体のバランスが取れた素材です。それと比べた時には、やや反発性に優位があると言えるでしょう!「履き心地のクセがないシューズを求める方」「前に進みやすい感覚が欲しい方」におすすめです! クッション性はあまりありませんが、軽量で安定性にかなり長けたクセのない素材です! 履いた感覚として、少し硬さを感じますが、とにかくブレない安定感は日本メーカーの安定性に近いものがあると言えます!その上で圧倒的に軽さがあります!バランスタイプとしては、若干尖っている印象もありますが、万能性な素材と言えます!「履き心地のクセがないシューズを求める方」「グニャグニャしたシューズが苦手な方」におすすめです! そうですね!! なかなか履いた心地として、はっきりした印象を受けないタイプではあります!それがよくも悪くもこのタイプの特徴です!裏を返せば、どの方が履いてもメリットデメリットが発生しにくいので、試してみる価値はありますね! どうでしょうか?? 各ミッドソール素材の違い、なんとなく伝わりましたでしょうか? 理解をしていただけたなら十分です!! いずれは覚えて欲しいですが、まずは理解することが大事ですので! それでは、改めてまとめます! →【ASICS:FLYTEFOAM BLAST】、【MIZUNO:MIZUNO ENERGY】【NIKE:ZOOM AIR】、【ADIDAS:BOOST】の4つがこのタイプに属する →昨今のトレンド素材の1つが、クッション性&反発性に優れており、更に軽量性の3拍子が備わった素材である ②クッション・安定タイプ →【ASICS:GEL】、【MIZUNO:MIZUNO WAVE】の2つがこのタイプに属する →『クッション・安定タイプ』は国内メーカーの2社のみで、ASICS・MIZUNOはシューズの2つの目的のうち【身体を怪我から守る】を大前提に靴作りを行っている ③高反発・超軽量タイプ →【NIKE:ZOOM X】、【ADIDAS/Light strike PRO】、【NB:FUELCELL】3つがこのタイプに属する →①のタイプと同様に、『高反発・超軽量タイプ』も昨今注目をされてきている素材で、レベルの高いレースに挑むランナーに応えるべく作られた素材 ④ナチュラルサポートタイプ →【ASICS:FLYTEFOAM】、【NIKE:REACT】、【ADIDAS:Light strike】、【NB:FRESHFOAM】の4つがこのタイプに属する →履き心地に大きな癖がない素材で、【柔らかすぎず・硬すぎず、安定感もある程度あり、適度に反発する】という万人に合いやすいタイプ STEP3:【ブランド別の4大機能の比較を知る】は、これで終了となります! 少し難しい部分もあったかもしれませんが、一度お店でこの感覚を試してみてください!!軽い試履きでもこの感覚はす伝わると思います! そして次回からは、『販売のプロが教えるランニングシューズの賢い選び方<実践編>』です! いよいよ具体的に商品単品で説明していきます! まず、【カテゴリー別の主要モデル】を紹介します!そして、それらのモデルの違いを、今回の機能編で学んだ13個ミッドソール素材の違いを踏まえ、4大機能で分類比較していきます! 今回学んだ知識をフル活用していきますのでしっかりと覚えていてくださいね! それでは、『販売のプロが教えるランニングシューズの賢い選び方〈実践編〉』をお楽しみに! ↓ブログランキングに参加しています! 『読んだよ!』のポチッとをしていただけるととても嬉しいです!! ランニングが大好きで、大手スポーツ店のランニングコーナーで働いて10年『はしりびと』です。多くの商品を使用体感し、全国の店員へのランニング知識の指導、ランニング新製品のアナライザー(製品特徴を分析する仕事)などをしております。ランナーとしても、サブ3、サブ9を達成。夢は【楽しく健康にランニングをお手伝いすること】です。
3.『クッション・反発タイプ』に属する素材と分析
ミッドソール素材
クッション
反発
安定
軽量
総合
ASICS / FF BLAST
★★★★☆
★★★★☆
★★☆☆☆
★★★★☆
MIZUNO / MIZUNO ENERGY
★★★★☆
★★★★☆
★★☆☆☆
★★★★☆
14.5
NIKE / ZOOM AIR
★★★★☆
★★★★☆
★★☆☆☆
★★★☆☆
ADIDAS / BOOST
★★★★☆
★★★★★
★★☆☆☆
★★★★☆
ミッドソール素材
クッション
反発
安定
軽量
総合
【ASICS:FLYTEFOAM BLAST】
【MIZUNO:MIZUNO ENERGY】
【NIKE:ZOOM AIR】
【ADIDAS:BOOST】
4.『クッション・安定タイプ』に属する素材と分析
ミッドソール素材
クッション
反発
安定
軽量
総合
ASICS / GEL
★★★★★
★★★☆☆
★★★★★
★★☆☆☆
MIZUNO / MIZUNO WAVE
★★★★☆
★★★☆☆
★★★★★
★★★☆☆
ミッドソール素材
クッション
反発
安定
軽量
総合
【ASICS:GEL】
【MIZUNO:MIZUNO WAVE】
5.『高反発・超軽量タイプ』に属する素材と分析
ミッドソール素材
クッション
反発
安定
軽量
総合
NIKE / ZOOM X
★★☆☆☆
★★★★★
★★☆☆☆
★★★★★
ADIDAS / Light strike PRO
★★★☆☆
★★★★★
★★☆☆☆
★★★★★
15
NB / FUELCELL
★★★☆☆
★★★★☆
★★★☆☆
★★★★☆
ミッドソール素材
クッション
反発
安定
軽量
総合
【NIKE:ZOOM X】
【ADIDAS:Light strike PRO】
【NB:FUELCELL】
6.『ナチュラルサポートタイプ』に属する素材と分析
ミッドソール素材
クッション
反発
安定
軽量
総合
ASICS / FLYTEFOAM
★★★☆☆
★★★☆☆
★★★☆☆
★★★★☆
NIKE / REACT
★★★☆☆
★★★☆☆
★★★★☆
★★★★☆
14.5
ADIDAS / Light strike
★★★☆☆
★★★☆☆
★★★☆☆
★★★★☆
14
NB / FRESHFOAM
★★☆☆☆
★★★☆☆
★★★★☆
★★★★☆
ミッドソール素材
クッション
反発
安定
軽量
総合
【ASICS:FLYTEFOAM】
【NIKE:REACT】
【ADIDAS:Light strike】
【NB:FRESHFOAM】
7.まとめ