こんにちは。
はしりびとです。
今回は、
【販売のプロが教えるランニングシューズの知識を学ぼう《機能編》】
STEP1:ランニングシューズの各種パーツとその役割
についてです!
このテーマは、全3STEPで語らせていただきます!
概要は↓の記事を読んでみてください。
1.ランニングシューズは複雑に出来ている
いきなり質問です!
『ランニングシューズは、いくつのパーツ(部品)で出来ているでしょうか?』

正解は、、
約100種類のパーツ ※1
から出来ているのです!
※1:メーカーやモデルによりパーツ数は変化します

ビックリしますよね!
例えば、足の甲を覆ってくれるメッシュの部分(『アッパー』といいます)ですが、ここは1つのパーツではなく、下記の画像のとおりいくつかのパーツをつなぎ合わせています。(縫い目がいっぱいありますよね!)
また、かかとの部分も一見するとシンプルですが、中のスポンジや芯なども合わせると10以上のパーツが繋がって出来ています。
他にも、たくさんの場所がいろんなパーツを繋げることによって組み立てられています。

このように、たくさんのパーツが圧着や縫製により繋がって、【ランニングシューズ】という形をなしています!
そして、これら約100種類のパーツは、一般的にそれぞれ単体で見られることはなく、【いくつかのパーツの複合体(構成)で、それぞれの役割を発揮する】ように作られています!
次に、そちらをわかりやすく説明していきます!
2.ランニングシューズの構成と役割
では、ランニングシューズの構成を記載させていただきます!
今回は、最低限覚えていて欲しいシューズパーツの名称とその役割を選んだので、下記名称は是非知っておいてください!
②シュータン
③シューホール
④シューレース(紐)
⑤ヒールカウンター(踵の芯を含む周り)
⑥シャンク
⑦ソール
では、次に上記7つのパーツの各々の役割を説明していこうと思います!
詳しくは、STEP2『ランニングシューズの機能と4大機能を知る』で説明しますので、ここでは簡単に覚えていてください!
一見するとメッシュ1枚で出来ているように見えますが、それだとすぐに破れてしまうので、最近はメッシュの下にメッシュをかぶせた2重構造のものが多いです。また部位ごとにメッシュ目の大きさを変えているものもあります。
最近は、軽量化を目指すために、シュータンとアッパーを一体化させたブーティー構造のものが流行になっています。また、クッショニングタイプかレーシングタイプかによって”厚み”も異なるのも特徴です。
もう1つの”シューホール”は、靴紐を通す穴のことです。穴の取り付け位置よってフィット感が変わるので、各社しっかりフィットするように位置を調整しています。
最近では、踵に芯を入れずに足にぴったりフィットする素材[ニット素材・伸縮性の高い素材]を使用するものも増えています。足馴染みがいいのが特徴ですが、固定感に関しては踵の芯が入っているものの方がいいので、注意深く選ぶ方がいいでしょう。

そうですね!
各社1つのランニングシューズの企画を完成させるのに最低3年(長いものだと10年以上)はかかっていると言われています!
多くのランニングシューズは、メーカー様や技術者がこういった役割を妥協せずとことん考えて作っているということです!
さて、ここまでは、主に『足と靴とのフィット感』を高める役割をもったパーツがメインでした。ここからは、残りの2つのパーツ『ソール』と『シャンク』を説明し、その役割を解説します!
そして、今回のテーマ【商品単品の違いを推測できるようになる】には、ここがポイントになりますので、是非覚えてください!
※その前に豆知識『ラスト』!ランニングシューズの機能とは直接的に関係はありませんが、フィット感を語る上で重要なものですので、知っておいて損はないです!
ASICSやMIZUNOの日本メーカーが日本人の足に合いやすいと言われるのは、日本人の足のデータを豊富に持っており、その豊富なデータでラストを作っているからです。データ(サンプル数)が多いと、その分ラストは精密に作れます。海外メーカーが日本人向けのラストと記載して作っているものが増えていますが、実際合わない人が多いです。それは、このデータ(サンプル数)が圧倒的に不足しているからなのです。ですので、足にフィットするものを履きたいと思ったら、やはり国産メーカーのASICSやMIZUNOを選ぶといいです。もちろん万人に合うというものではありませんので、最終は履いてみて判断しましょう!
一方、最近のトレンドとして、海外メーカーを中心に、<民族によるラストの違い>という壁(民族ごとにデータを収集し、ラストを作ってシューズを企画し、都度製造ラインも用意する=コスト大)を越えるための動きが増えています。主な手法は、『アッパーに非常に伸縮性の高い素材(ニット・マイクロファイバー)を採用することで、足の形に合わせて形状変化させる』というものです。細い足にはしっかり締まり、広い足には柔軟に伸びるというものです。一見足に合っていると感じる仕様になっていますが、柔軟に素材が変化するということは、強い負荷がかかると動いたりブレたりするといえます。決して悪いものではありませんが、いいことばかりではないということを覚えておいてください。
3.ソールってなに??
店頭でお客様とお話をしていると、よく『ソール』という単語が現れます。
『ソールってなんだと思いますか??』

半分正解で、半分ハズレです。
正解は、
『ソール』は3つのパーツの総称
です!
具体的には、下記の3つです!
・ミッドソール
・アウトソール
では、3つのパーツを知った所で、それぞれの役割を説明していこうと思います!
クッショニングタイプならクッション性の高い素材を用い、レーシングタイプなら軽量・グリップが良い素材を採用することが多いです!また最近は、硬い樹脂で出来たインナーソールが普及してきており、安定感を高められるものとして需要が増えてきています。
※インソールに関してもっと詳しく知りたい方は下記記事をご覧ください
そして、『商品単品の違いを推測できるようになる』には、各社のミッドソールの違いを覚えることがポイントとなりますので、ミッドソールの機能はしっかりとおぼえておくようにしましょう!
また最近は、軽くするためにアウトソールがないものがありますが、その分シューズの耐久性が落ちるので注意が必要です。

そういうことです!
そして先程も書きましたが、
特に『ミッドソール』は商品単品の違いを推測する為の重要な構成部
ですので、覚えていてください!
※豆知識その2!『シャンク』について解説します!
また、シャンクがあるソールを『セパレートソール』と言います。反対に、シャンクがないソールで変わりに真ん中の面積を広くしているソール『フラットソール』と言います。
『セパレートソール』のメリットは上記の通りですが、デメリットは少しクッションを硬く感じることです。『フラットソール』は、同様に、着地時に足が捻れないように安定させることができます。また、セパレートソールと異なり、クッションもやわらかく感じられます。しかし、少し重たくなることと、反発性がないことがデメリットです。
どちらが優れているということはないので、履いた感覚で選んでもらうといいと思います。ちなみにレーシングモデルになるほど、セパレートが増えます(あくまで傾向です)。
↓ セパレートソール(○部が『シャンク』)
↓ フラットソール
最近では、セパレートとフラットソールを混合したようなシューズも出てきています!時代は進化してきていますね!
4.まとめ
それでは、最後に要点をまとめます!
→複雑な構造で出来ているので、簡単に選ぶことは難しい
→いくつかのパーツの複合体(構成)で、それぞれの役割をするように出来ている
・アッパー、シュータン、シューホール、シューレース、ヒールカウンターは、足と靴のフィット感を高めることが主な役割
→足の甲、踵、土踏まずなど、足にフィットさせるために各社各部に工夫を凝らしている
→靴は企画→テスト→作り直しを繰り返し、およそ10年をかけて1つの靴を完成させている
→ラストがその靴のフィット感を決めると言っても過言ではない
・ソールは、『インナーソール』『ミッドソール』『アウトソール』の3つに分けられ、それぞれ役割が異なる
→インナーソールは、<足当たりの良いクッション>、<足を包むようなフィット>が主な役割
→ミッドソールは、<衝撃を吸収するクッション>、<着地時のブレを防ぐ安定>、<次の一歩を楽にする反発>が主な役割
→アウトソールは、<地面をスベらにようにするグリップ>、<削れないようにする耐久>が主な役割
・シャンクは【セパレート】と【フラット】の2種類があり、それぞれメリットとデメリットがある
→セパレートソールのメリットは、<着地時の安定・足が着地衝撃で捻れないようにする>、<蹴り出す際の反発性>ですが、デメリットは少しクッションを硬く感じる
→フラットソールのメリットは、セパレートソールと異なり、<クッションを柔らかく感じられる>ですが、少し重たくなり、高い反発性がないことがデメリット
・特に『ミッドソール』は、商品単品の違いを推測する為の重要な構成部なのでマストで覚える
→シューズの機能を謳う為の心臓であり、シューズの特徴を一番伝えられる部分
→各社のミッドソールの違いを覚えることが商品単品の違いを知る為のポイント

大丈夫です!
今回の構成で伝えた『ミッドソール』を覚えてもらって、次回STEP2以降で伝える内容を知って、ポイントさえ押さえてもらえれば、全然難しくないです!
簡単です!!
実際、お客様からも店舗の従業員からも、『このポイント抑えてからは、見ただけでどういったものか想像がつくようになった』『メーカーの使い分けができるようになった』という声を頂いています!
ポイントさえわかるようになれば本当に簡単ですので、ご安心ください!
それでは次回STEP2:『ランニングシューズの機能と4大機能を知る』に続きます!
それでは、各記事をご参考頂き、怪我なく楽しくランニングライフを楽しみましょう!!
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ランニングが大好きで、大手スポーツ店のランニングコーナーで働いて10年『はしりびと』です。多くの商品を使用体感し、全国の店員へのランニング知識の指導、ランニング新製品のアナライザー(製品特徴を分析する仕事)などをしております。ランナーとしても、サブ3、サブ9を達成。夢は【楽しく健康にランニングをお手伝いすること】です。