こんにちは。
はしりびとです。
今回は、
【販売のプロが教えるランニングシューズ単品の違いを知ろう《実践編》】
STEP4-1:サブ4向け”レーシングTRシューズ”の代表5モデルの違いを把握しよう
についてです!
このテーマは、全8STEPで語らせていただきます!
概要は↓の記事を読んでみてください。
それでは、早速説明をスタートしていきます!
1.はじめに
今回の【実践編】の概要ページにて主要、<クッショニング>、<トレーニング>、<レーシングトレーニング>、<レーシング>、<ナチュラル>、<ベアフット>、<厚底カーボン>の7つのカテゴリーの主要モデルを紹介しました。
今回は、その7つのカテゴリーの中の1つ『レーシングTR編(サブ4~3.5向けモデル編)』です!
過去にも何度かお伝えしたとおり、現代は【ランニングシューズ戦国時代】です。
かなりの種類のランニングシューズが高頻度で発売されるようになっていますが、その中で最も熾烈なカテゴリーが今回の『レーシングTRカテゴリー』なんです。その為、このカテゴリーのシューズはかなり豊富になっていますので、以下の通り2回に分けてご紹介させて頂きます。
★STEP4-1(今回):サブ4向けシューズの代表5モデル
★STEP4-2(次回):サブ3.5向けシューズの代表4モデル
の2回に分けてご紹介します!
さて、今回サブ4向けカテゴリーのの主な使用者は、
・大会に出る【中級者ランナー(サブ4前後)】の本番用&練習用
・大会に出る【上級者ランナー(サブ3.5以下)】の練習用・ジョグ用
・大会に出る【脱初心者ランナー(サブ5~4.5)】のスピード練習用
です!
もちろん、それ以外のランナー様も知っていて得する情報が入っていますので、是非皆様覚えてもらえればと思います!

それでは早速、4大機能による比較分類を行い、商品単品の違いを見ていきましょう!!
【機能編】のSTEP1で説明した『シューズ構成部の名称』、STEP2で説明した『9大機能』を用いますので、読み返してからのほうが分かりやすいです!
2.『レーシングTRシューズ(サブ4編)』の代表5モデルの素材比較
最初に、代表5モデルで使われているクッション材(ミッドソール素材)に関して、《4大機能での比較一覧表》を発表します!!
レーシングTRシューズ(サブ4編)の代表5モデル・素材比較一覧表
主要モデル | ミッドソール | クッション | 反発 | 安定 | 軽量 |
ASICS / DS-TRAINER26
|
FLYTEFOAM
※ミッドソール全体 ※踵部にほんの少しGEL搭載 |
★★★☆☆
3.5 |
★★★☆☆
3 |
★★★☆☆
3.5 |
★★★★☆
4 |
NIKE / ZOOM RIVALFLY3
|
ZOOM AIR
※前足部のみ ※他はソフトなEVA |
★★★★☆
4 |
★★★★☆
4 |
★★☆☆☆
2 |
★★★☆☆
3 |
ADIDAS / ADIZERO JAPAN7
|
Light Strike
※主に踵~中足部 |
★★★☆☆
3 |
★★★☆☆
3.5 |
★★★☆☆
3.5 |
★★★★☆
4 |
Light Strike Prl
※主に前足部 |
★★★☆☆
3 |
★★★★★
5 |
★★☆☆☆
2 |
★★★★★
5 |
|
New Balance/ FuelCell Prism2
|
FuelCell
(低反発安定仕様) ※ミッドソール全体 |
★★★★☆
4 |
★★★☆☆
3.5 |
★★★☆☆
3.5 |
★★★☆☆
3 |
New Balance/ FuelCell REBEL2
|
FuelCell
(高反発仕様) ※ミッドソール全体 |
★★★☆☆
3 |
★★★★☆
4.5 |
★★★☆☆
3 |
★★★★☆
4.5 |
主要モデル | ミッドソール | クッション | 反発 | 安定 | 軽量 |
※『New Balance/FuelCell Prism2』のFuelCell素材は、高反発・超軽量タイプではなく、反発性を抑えてクッション性を高めたタイプを使用しています。
3.代表5モデルの商品単品の違い
では、この5つのモデルをもう少し詳しく紐解いていこうと思います!!

1.New Balance/FuelCell Prism2
まずは、《New Balance/FuelCell Prism2》を解説します!
・各社主要なミッドソール素材の中でも、反発性と軽量性に特化したのが『FuelCell』の特徴でしたが、前回紹介した兄弟モデル《New Balance/FuelCell Propel3》と同様に、反発性を少し抑えて、クッション性を優位にした仕様変更を行っています。 ・ソフトなクッション性を感じられ、更には比較的安定性もあるので、サブ4向けモデルの中では最も足に優しいという特徴があります。但し、サブ4モデルとしての反発性がそれほど高くなく、更に、サブ4向けモデルから見られてくる「接地感」がやや乏しいので、スピード感を出しづらい点はあります。 ②”クッション”・”反発”・”安定”のバランスが取れた履きやすいモデル! ・これも兄弟モデル《New Balance/FuelCell Propel3》と同様で、今回紹介する5モデルの中で、最も癖の少ないモデル(履く人を選ばないモデル)となります。 ・サブ4モデルの中では随一のクッション性(柔らかさ)を感じられますし、最低限の反発性もあります。また、土踏まずをしっかりサポートするミッドソール設計(メディアルポスト)を採用しているので、高い安定性もあります。まさに”THE万能”モデルです。 ・サブ4向けシューズとして、スピードを出すための機能よりも、足を守ってくれる機能が優位に欲しいという方にはオススメです。 ③サブ4を考えた時に反発性が弱く接地感がないのが欠点か… ・唯一の欠点が、「反発性」が弱い上に「接地感」がほとんどないという点です。着地してから次の一歩に移る速度が遅くなってしまうので、素早い脚の入れ替えが難しくなります。また、反発性もそれほど高くないので、大きく身体を前に運んでくれる要素も低いです。 ・最初にも書いた通り、「サブ4向けシューズに足を守る機能を強く求める方」「足元のサポートがないと不安な方」にオススメです。 次に、《ADIDAS/ADIZERO JAPAN7》を解説します! ・《ADIZERO JAPAN7》は、2種類のミッドソール素材を採用しています!踵部~中足部中心に万能素材”Light Strike”を配置することで、中足部~踵で着地したときの『ブレの少ない安定感』を実現し、前足部にかけて高反発素材”Light Strike Pro”を配置することで、『自然と前に進む推進力』を感じられます。 ・2種類のミッドソールを組み合わせると若干重たくなる傾向にはありますが、この2つの素材は元々かなり軽い素材なので、実際履いてみると重みを感じにくいでしょう。 ②素材自体のクッション性は高くないが、ミッドソールを分厚くしてクッション性を向上! ・《ADIZERO JAPAN7》は、5モデルの中で最も分厚いミッドソールを持っています。素材チャート表を見て頂くとわかる通り、素材自体のクッション性は高くありません(5モデル中下位になる)ので、そのクッション性の低さを厚みでカバーしているという設計です。 ・素材自体が軽いとはいえ、「2層のミッドソール設計」「分厚いミッドソール」により、若干重たさは増してしまいますが、クッション・反発・安定を高次元で共存させているモデルと言えるでそう。 ・サブ4向けシューズとして、「脚を守ってくれる機能を優位にしながら、スピードを出す機能が欲しいという方」にはオススメです。但し、足を守る機能は《New Balance/FuelCell Prism2》に比べてやや劣ります。 ③反発性は確かにしっかりあるが、接地感がやや弱いか… ・「分厚いミッドソールを採用している」という点から想像できると思いますが、接地感は感じづらいモデルです。高い反発性はあるので”推進力”は出せるのですが、自分の足で捉えて蹴り込む力がやや弱いので、スピードに乗り切るのが少し難しくもあります。 ・先述した通り、サブ4向けシューズとして、「脚を守ってくれる機能を優位にしたい」「その上で少しでも速く走りたい」という方にはオススメです。(ちなみに接地感は《New Balance/FuelCell Prism2》と同程度です) 次に、《NIKE/ZOOM RIVALFLY3》を解説します! ・《ZOOM RIVALFLY3》も、2種類のミッドソールを採用しています。先程の《ADIZERO JAPAN7》でもお伝えした通り、2種類のミッドソールを組み合わせると、若干重さが出てしまう点はありますが、『柔らかなクッション性』と『弾むような反発性』を両立できるメリット(特徴)があります。 ・これまでに紹介した2モデルと違い、ミッドソールがやや薄く設計されているので、「接地感」を感じて走ることが出来ます。つまり、反発+蹴り出しによる推進力が作れるようになるでしょう。 ②柔らかな”クッション性”があるので、薄くなったことによる不安感は少ない! ・上記2モデルに比べて、ミッドソールが薄くなったことで”クッション性”に不安を感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、前足部にクッション性(反発性)の高い『ZOOM AIR』、ミッドソール全体に柔らかなクッション材『クシュロン』を採用しているので、薄さによる不安感はそれほどないと言えるでしょう。 ・その上で、薄くなっている分軽さを感じられるというメリットも生まれています。NIKEの素材特徴を上手く活かしたシューズの1つと言えます。 ・サブ4向けシューズとして、「スピードを出す機能・接地感を優位にしながら、出来るだけ柔らかな履き心地が欲しいという方」にはオススメです。 ③”安定性”がもう少し改善されれば更にいいのだが… ・唯一の弱点と言えるのが、安定性が低いという点です。NIKE共通の弱点と言えるようなところもありますが、薄くしたうえで”柔らかなクッション性”と”前に進む”反発性”が生み出せているので、少々求めすぎなところもありますが。 ・「関節に不安のある方」は少し注意する方がいいかもしれません。(怪我するというわけではありません) 次に、《ASICS/DS-TRAINER26》を解説します! ・ミッドソール全面に『全ての機能が万能な軽量素材”FLYTEFOAM”』を採用しています。クッションと安定と反発のバランスが良く癖がないのが特徴と言えます。《DS-TRAINER26》も、2種類の素材を採用してはいるのですが、踵部に搭載された「GEL」はほんのわずかな量なので、機能自体にあまり影響しないと言えます。 ・《NIKE/ZOOM RIVALFLY3》同様に、ミッドソールが薄めなのが特徴です。また、5モデルの中では、最も強い”蹴り出し”で走ることが出来るでしょう。サブ3.5を目指す方にも使いやすいです。 ②”クッション”・”反発”共に高くないものの、安定性と接地感が最大の魅力! ・上気した通り、ミッドソールが薄く設計されているので、「接地感」を感じて走ることが出来ます。ただ、《RIVALFLY3》ほどのクッション性と反発性はなく、その代わりに安定感が高く・接地感がもっと高いのが特徴です。 ・機能的な特徴意外にも、ASICSらしい”足全体を包むフィット感”や”踵のホールド感”があるので、着地時の足ブレが少なく、蹴り出し時のエネルギーロスも少ないと言えます。(昔ながらのレーシングTRシューズの特徴) ・サブ4向けシューズとして、「スピードを出す機能・接地感を優位にしながら、やや固めの履き心地がいい・少しサポートが欲しいという方」にはオススメです。 ③やはり不安要素は”クッション性(柔らかさ)”が乏しい点か… ・おそらく《DS-TRAINER26》を最初に履いて感じるのは、「少し薄いかな~」「少し固いかな~」というところだと思います。昔のサブ4向けシューズと言えば、だいたいこのような特徴がありましたが、今はどのレベルのシューズにも柔らかさがあるのが当たり前になってきた感があるので、不安意識を持つ人もいるでしょう。 ・ですが、これでも十分なクッション性はあるので、上手く足の筋肉を育てていけば”固さ”や”薄さ”は気にならないかと思います。少しずつ履きならしていくといいシューズの1つと言えます。また先述の通り、サブ4を目指す方だけでなくサブ3.5を目指すランナーにも使いやすい1足と言えるでしょう。 最後は、《New Balance/FuelCell REBEL2》を解説します! ・ミッドソール全面に超高反発で超軽量な素材『FuelCell』を採用しています。履いた瞬間にわかるくらいの軽さ、そして高い”反発性”と”柔らかさ”を実感できます。(但し、接地感はそれほど高くなく、また安定性という機能はやや低さを感じると思います) ・今回紹介した5モデルの中では最もスピードを出しやすいモデル(接地感の低さを差し引いてもスピードは出る)と言えます。サブ3.5を目指す方にも全く違和感なく履いてもらえる思います。 ②とにかく高すぎる”反発性”と”軽量性”を感じる至極の1足! ・これまで《FUELCELLモデル》を2つ紹介してきましたが、それとは一線を画すようなシューズです。また、着地した瞬間に、そのエネルギーを反発に変えて跳ね返る(推進力を作る)ような感覚は、上記4モデルにはない素晴らしい機能の1つと言えます。 ・上述した通り、接地感は少ないですが、それを補って余りある”反発力”はサブ4向けシューズのトップモデルと言えるでしょう。 ・サブ4向けシューズとして、「とにかくスピードを出す機能が優位に欲しい」「楽に推進力を作ってくれるシューズが欲しい」という方にはオススメです。 ③安定性がないわけではないが… ・最も気になる点としては、”安定性”の低さでしょう。実際に素材を触ってみるとわかると思いますが、かなりブヨブヨの柔らか~~い素材です。素材自体が不安定という点は間違いありません。ただ、「アウトソールの面積を広くする」「足ブレしやすい場所に独自の設計を施す(SMART SIDEWALLという設計)」等により、少しでも安定性を高めるというアプローチは行っています。 ・上手く使いこなしていくために、「少しずつ練習で試していく」「最初からあまりスピードを出しすぎない(ペースをコントロールして走る)」という方法がいいでしょう。 ※※最新モデル《FUELCELL REBEL3》について詳しく知りたい方は下記ページをご覧ください!(上記内容との大きなずれはありません) 以上が、代表5モデルの紹介となります! 是非、試してみてほしいです! 言葉だけになってしまいましたので、わかりやすく【代表5モデルの相関図】を下記に記載させて頂きます!! ※下記PDFファイルでハッキリ見えますよ! 是非、一度このイメージを膨らませてから、実際にお店で試履きをしてみてください!! 以上が、サブ4向け《レーシングTRシューズ》の代表5モデルの比較説明となります! これまで何度もお伝えしてきた通りですが、 それぞれの商品には、必ず「得意・不得意」「強み・弱み」が必ず存在します! 「どれが良くて、どれが悪い」という発想ではなく、「どれが自分の目的に合っているか」、「自分はどのカテゴリーから選びたいか」を自分自身で判断することが重要です!それが自分に合ったシューズを選ぶための必須条件です! その上で、前回の『機能編』、今回の『実践編』で学んだ商品単品の知識を活かして頂ければと思います! そうすることで、 ランニングシューズ戦国時代にどんどん出てくるNEWMODELを理解し、自分の求めるものかを判断できるようになると思います! そして、信頼できる店員さんとも相談し、自分にあったものを自分自身で決断できるようにしていきましょう! それでは、今日も怪我なく楽しくランニングライフを楽しみましょう! ↓ブログランキングに参加しています! 『読んだよ!』のポチッとをしていただけるととても嬉しいです!! ランニングが大好きで、大手スポーツ店のランニングコーナーで働いて10年『はしりびと』です。多くの商品を使用体感し、全国の店員へのランニング知識の指導、ランニング新製品のアナライザー(製品特徴を分析する仕事)などをしております。ランナーとしても、サブ3、サブ9を達成。夢は【楽しく健康にランニングをお手伝いすること】です。2.ADIDAS/ADIZERO JAPAN7
3.NIKE/ZOOM RIVALFLY3
4.ASICS/DS-TRAINER26
5.New Balance/FuelCell REBEL2
3.代表5モデルの相関図
4.まとめ